[ 科学技術・大学 ]

【電子版】みちびき2号機、打ち上げ成功 日本版GPS、4基体制へ

(2017/6/1 11:30)

  • 準天頂衛星「みちびき」2号機を搭載し、打ち上げられるH2Aロケット34号機(時事)

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日午前9時17分、日本版GPS(全地球測位システム)の実現を目指す政府の準天頂衛星「みちびき」2号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターからH2Aロケット34号機で打ち上げた。みちびき2号は約28分後にロケットから切り離され、予定の軌道に投入された。打ち上げは成功した。

 みちびきは米国のGPSを補完する日本独自の測位衛星。GPSの測位情報を補正して誤差を1メートル程度に縮小するほか、国土地理院が全国に設置した電子基準点と連携し、数センチ~数十センチ単位の精密測位を実現する。GPSと異なり、日本のほぼ真上(準天頂)にいる時間が長い軌道を飛ぶため、ビルの谷間や山間部など電波の届きにくい「死角」を減らす効果もある。

 軌道の関係で、みちびき1基が日本上空をカバーするのは1日約8時間。24時間運用には最低でも3基が必要になる。みちびきを所管する内閣府は、2010年の1号機と今回の2号機に続き、年内に2基(うち1基は静止軌道に投入)を打ち上げて4基体制を構築し、来年4月から測位データの提供を開始する。

 同センターで記者会見した鶴保庸介宇宙政策担当相は「4基体制が実現すれば、自動運転や農業、建設などに利用が広がる。新たなイノベーション(技術革新)への努力もしており、可能性を秘めた技術だ」と述べた。

 みちびきの信号を受信するには対応端末が必要で、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」などが対応している。

 既に始まっている実証実験では、建設工事や農作業の自動化、高度なナビゲーションシステムなど、さまざまな利用に向けた検証が進められている。(時事)

(2017/6/1 11:30)

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