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[ 科学技術・大学 ]
(2017/8/16 05:00)
お茶の水女子大学の作道直幸特任助教と奥村剛教授らは、タイヤなどゴムの高速破壊を引き起こす現象「速度ジャンプ」の仕組みを解明した。ゴムの破壊を説明するための単純な数理モデルを構築し、同現象の解明につなげた。タイヤの耐久性が向上すればタイヤを薄く作れるため、重量を減らすことによる自動車の燃費向上やゴム材料の削減などにつながる。
速度ジャンプは、ゴムシートに生じた亀裂の進む速度が秒速1ミリメートル未満の低速から秒速1メートル以上の高速に急激に変化する現象を指す。数値シミュレーションなどで使われる格子モデルを亀裂が進む問題に特化し単純化。弾性と粘性を併せ持つ物質の性質を説明する「線形粘弾性理論」を組み入れた数理モデルを構築し、モデルの数学的な解から速度ジャンプの現象を再現できた。
得られた知見は、ゴムの耐久性や耐摩耗性の向上だけでなく、ゲルや樹脂などの他の材料の強靱(きょうじん)化にもつながる可能性がある。
内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の一環。成果は英電子版科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。
(2017/8/16 05:00)