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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/12/9 05:00)
神戸製鋼所は8日、神鋼グループの金属製品を使った自動車の購入者と見られるカナダ在住者4人が、グループ6社に損害賠償を求める訴訟を、それぞれ地元の裁判所に提起したことが分かったと発表した。仕様に合わない金属製品を使った自動車に、不当に高い対価を支払わされたと主張しているという。一連の製品データ改ざんをめぐる訴訟の提起は初めて。ただ、裁判所が訴状を正式受理したがどうかは不明で、神鋼側も訴状を受け取っていないという。
訴えられたのは神鋼本体や傘下の日本高周波鋼業、神鋼メタルプロダクツ(北九州市門司区)など6社。ブリティッシュコロンビア州とオンタリオ州の両上位裁判所がそれぞれ運営するウェブサイトに、地元在住者の訴状が掲示されているのを11月25日から同28日にかけて見つけ、精査を進めていた。原告らが請求している賠償額は明らかでないという。
原告らは集団訴訟として取り扱うよう求めており、今後、原告が大幅に増える可能性がある。神鋼は正式な訴状が届けば、適切に応訴するとしている。
神鋼グループのデータ改ざんでは、問題の不適合品を使った最終製品の無料の回収・修理(リコール)に発展した場合の費用を請求される可能性が指摘されていた。最終製品を購入した一般ユーザーが、損害賠償を直接求める訴えが認められれば、神鋼が巨額の賠償責任を負うことにもなりかねない。
(2017/12/9 05:00)