生産現場の底力を発揮させる日立システムズの「データ分析ソリューション」【PR】

(2018/10/29 00:00)

「生産性向上させる分析をAIで簡単・高速に」

 日立システムズが、製造現場の生産性向上を支援する「データ分析ソリューション」に力を入れている。現場で収集したデータを人工知能(AI)技術の一つである機械学習で分析して、作業効率の改善や品質向上につなげる。昨今ではAIやIoT(モノのインターネット)による事業のデジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)が注目されている。だが、具体的になにから進めればよいのか見極められない企業も多い。製造業において情報通信技術を活用した生産性向上に関する具体例を産業・流通インフラサービス事業部長の前田貴嗣氏に話を聞いた。

<4Mの観点で作業工程分析>

  • 前田 貴嗣(まえだ・たかし)/1987年(昭和62年)日立電子サービス(現日立システムズ)入社。2011年10月経営戦略本部事業企画部にて新規事業立上げ、M&Aを担当。2018年4月より産業・流通インフラサービス事業部長(現職)。

―データ分析ソリューションとはどのようなものですか。

 「製造業の生産性向上につながる分析をAIで簡単・高速に行う。分析にはノウハウがあり、日立システムズでは『4M(Man・人、Material・材料、Method・方法、Machine・機械)』の観点から作業工程で遅延要因などを分析する」

―電子機器などの設計・製造・販売を手がける中央電子株式会社(東京都八王子市)と共同で同ソリューションの実証実験を2017年6月から7月まで実施していましたね。

 「中央電子の制御基板やデータ読み取り装置の、組み立てと工程内の検査を対象とした。同社ではデジタル化した屋台生産方式を取り入れており、200種類以上の製品を一つの屋台で組み立てている。部品棚に取り付けたセンサーにより作業者が部品を取る時間などが自動的に記録されており、大量のデータはすでにあった。だが、品質管理やQC(品質保証プログラム)は、データをもとにエクセルを用いて熟練作業者のノウハウで分析し、改善に結び付けていた。そのため、これまでの改善でどの程度効果が出ているのか見える化できていなかった。そうした点と、他に生産性向上が可能な改善ポイントはあるのかという二つをAIで分析した」

―具体的な機械学習での分析方法は。

 「過去3年間の製造実績や作業員、工程などのデータを統計ツールでグラフ化した。グラフは縦軸に作業時間を、横軸には作業開始日時を置いて作成する。通常だと、作業結果が黒い点となり、ある一定の線ができるのに対し、ところどころに異常値が見つかる。重要なのはこの異常値を見つけ出すことであり、異常値の抽出にAIを活用している。担当者とのヒアリングとAIで分析し、抽出した原因を追及したところ、二つの改善ポイントにたどりついた。一つは、ピンセットでフィルムから磁性体をはがして、製品に貼り付ける作業がある。材料自体に不良品があり、すぐ剥がれるフィルムと剥がれないものがあった。時間は掛かるが作業はできたため、従来のやり方では原因が表面化しなかった。もうひとつは、フィルム素材自体の枯渇だ。通常、組み立てラインでは部品がすべて用意されているが、現実には加工されたフィルムが枯渇していた。そのため、作業者自身が別ラインで使用する大きいフィルムから製品にあわせて加工し貼り付けていた。これも通常より時間はかかっていたものの現場の作業で対応できていたため見え難かった」

「お客さまの事業を理解し、適切なデータ収集を支援」

  • 中央電子と共同で実施した実証実験の概要。30%の改善効果を確認し、熟練技術者の工数減少も実現した。

―中央電子でAIを活用した効果は。

 「AIを活用することで、どこに生産性を損なう要因があるのかデータを見える化できる。そのため、これまでの改善で30%の効果が出ていたことが判明した。またAI分析により熟練技術者の工数自体を減少できた。以前は、一週間に5時間の作業だったものを、1時間程度へ短縮できた」

<ERPとの連携も>

  • 作業台と部品棚にセンサーが取り付けられており、一つ一つの工程はセンサーが感知して自動で記録される

―中央電子ではすでにデータを取得していました。データを集めることも重要です。

 「データ分析ソリューションではデータを取るところから支援する。ITの世界で最も困難なのはセンサーを機器につなげデータを蓄積することだ。センサーはつければいいというものではなく、何をするために何のデータが必要かということが一番重要になる。そこが曖昧だとただ無駄にデータを取得するだけになってしまう。今の時代はパッケージ化したICTがメインで、お客さまの事業を理解しなくてもシステムを構築できる。しかし、ICTはあくまでツールであり、今後、IoTやAIを活用した『デジタライゼーション』を進めてお客さまの課題を解決するにはお客さまの事業をよく理解する必要がある。何を改善したいのか、そのためには何が必要なのか見極める必要があり、情報システムの担当だけでなく生産管理者と対話するなどの共創がカギとなる」

―今後の戦略は。

 「IoTの分野ではセンサーだけでなく、カメラデータや無線識別(RFID)などを活用し、収集するデータの高度化を図る。また、システム構築では統合業務パッケージ(ERP)との連携を進めている。例えばRFIDのデータを吸い上げERPに落とし込むことで、計画とのずれをリアルタイムで把握することができる」

「製造現場データ分析サービス」コンセプト、PoC事例紹介動画

(2018/10/29 00:00)

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