(2019/2/6 00:00)
日立システムズと製造支援会社の平山は、製造業向けサービス分野で協業し、中堅・中小企業を対象とする「現場改善支援サービス」事業を提供している。平山のコンサルタントによる現場改善コンサルティングサービスと日立システムズのERP(統合業務パッケージ)やIoT(モノのインターネット)関連サービスなど、両社の製品・ノウハウを一体化。顧客企業の現場改善からIoT構築、生産管理システムの運用まで支援する。
近くて遠い存在を―つに
同じ工場内の活動でありながら、人に依存する現場改善とERPに代表されるICT(情報通信技術)依存のシステムは、その性質の違いから従来、一つの業務フローで運用されることはほとんどなかった。
その一方で、現場改善の成果をICTやIoTを活用して工場全体の設備稼働率や生産性の向上に結びつけたいというニーズが高まっている。
日立システムズと平山が提供している「現場改善支援サービス」はこうしたニーズに応え、これまで近くて遠い存在だった改善活動とERP運用をはじめ、工場内の活動をワンストップで支援するものだ。
両社の強みを組み合わせ
日立システムズは業種別のシステム構築とデータセンター、ネットワークやセキュリティの運用・監視センター、コンタクトセンター、全国約300カ所のサービス拠点などの多彩なサービスインフラを生かしたシステム運用・監視・保守を強みとするICTサービス企業。中でも「FutureStage 製造業向け生産管理システム」は、中堅・中小製造業間で「カスタマイズなしでも導入できるERP型生産管理システム」として好評を得ており、累積4000システム以上の導入実績がある。
一方の平山は「人に付いた技術で日本のモノづくりを支援する」をコンセプトに人材サービスやトヨタ生産方式を基本にした「現場改善コンサルティングサービス」を国内外で展開する。多くの現場を改善した実績を持つ現場改善コンサルタン卜が顧客視点で問題点や課題を洗い出し、改善案を提案。その改善案に基づいて平山の作業実施部門が現場で製造請負や現場管理を手がけるなど、現場改善活動を一貫して支援できるのが強みである。
本サービスは、こうした両社の強みとする製品・ノウハウを組み合わせ、その仕組みを構築したものである。
斬新なサービスフロー
サービスフローは業務プロセスヒアリングに始まり、業務分析→要件定義→Fit&Gap(適合とズレの分析)→適用設計→詳細設計→プログラム作成・単体テスト→組み合わせ・連動テスト→システムテスト→運用定着が基本的な流れだ。
業務プロセスヒアリングや業務プロセスのフェーズでは、平山の現場改善コンサルタントが中心となって設備の設置場所や在庫管理作業、棚卸し作業など、実際の現場や作業をビデオ撮影などによって診断・分析。そこから工場や生産ラインにおける現場のさまざまな問題点を抽出し、現場作業の改善案を作成する。
改善案を作成する際は、作業効率化を支援するシステムとして日立システムズの「FutureStage」やIoT関連サービスなどを活用する。
要件定義が行われた後のFit&Gapのフェーズでは、モノと情報の流れを清流化しモノづくりのあるべき姿へと改善を導く。
IoT関連サービスでは、①センサーから各設備の生産実績データなどを収集して、エ程の進捗をリアルタイムに把握し、ボトルネックになっているエ程の改善を支援②収集した生産実績データをシステムに自動入力するなどして作業効率を改善③設備の累積稼働時間やショット数、振動数を把握し、設備が故障する前に適切なメンテナンスが実施できる―などのサービスを用意。また作成した改善案について、平山の作業実施部門が実際に現場で作業を代行することも可能だ。
今後、日立システムズと平山は、中堅・中小規模の製造業向けに、現場に密着したデジタライゼーションの支援を加速していく。
(2019/2/6 00:00)