[ 政治・経済 ]
(2017/5/9 17:30)
【ソウル時事】韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領(65)の罷免に伴う大統領選挙は9日午後8時(日本時間同)、投票が締め切られ、開票される。事前の世論調査では、革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表(64)が優勢で、中道系野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)元共同代表(55)、保守系旧与党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補(62)が追う。同日深夜から10日未明にかけて大勢が判明する見通し。
当選者は選挙結果の確定後、直ちに第19代大統領に就任する。朴前大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告(60)の国政介入事件で混迷を深めた韓国政局は、新政権発足で事実上のトップ不在状態が解消され、大きな節目を迎える。ただ、政権移行の準備期間がなく、新大統領は手探りのかじ取りを迫られるため、国政運営が軌道に乗るまでには時間がかかるとみられる。
北朝鮮に融和的な姿勢を見せる文氏に対し、安、洪の両氏は厳しい立場で、どの候補が当選するかによって、韓国の北朝鮮政策は大きく変わる。一方、いずれの候補も慰安婦問題をめぐる日韓合意については、再交渉または破棄を求めており、新政権下で合意が着実に履行されるかどうかは不透明だ。
選挙戦は当初、文、安の両氏が支持率トップを争っていたが、安氏はテレビ討論で振るわず失速。北朝鮮の核・ミサイルの脅威が深刻化する中、「強い韓国」をスローガンに戦術核の配備などを公約に掲げた洪氏が保守層の支持を集め、急追した。
投票率は事前投票の26・06%を合算し、午後5時の時点で70・08%に達しており、最終的には80%を超える可能性もある。
(2017/5/9 17:30)