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次代を担う人材などテーマに相次ぎイベント—モノづくり日本会議

(2017/7/5 05:00)

  • 力を合わせて秘密基地を製作

東北大・岩手県北上市でライフスタイルを探るプロジェクト始動

岩手県北上市で10日、地球温暖化や人口減少など厳しさを増す環境制約でも、心豊かに暮らすことができるライフスタイルを探る親子参加型のプロジェクト「木育ワークショップ」「秘密基地プロジェクト」がスタートした。同市と東北大大学院環境科学研究科の古川柳蔵准教授、三橋正枝助手などが連携して進める。木育ワークショップは来年1月、秘密基地プロジェクトは今年8月までそれぞれ活動し、地域に適したライフスタイルを創出する基盤構築を目指す。

■自然環境の重要性を体感

今回のプロジェクトは科学技術振興機構社会技術研究開発センターの研究課題に採択された事業である「未来の暮らし方を育む泉の創造」の一環。モデル地域でのフィールドワークを通じ、地域に適した未来のライフスタイルを創出する基盤構築を目指す。モノづくり日本会議ネイチャー・テクノロジー研究会も社会実装などを支援する。

プロジェクトは北上市の口内(くちない)小学校で実施され、木育ワークショップには子ども11人、秘密基地プロジェクトには大人6人と家族がそれぞれ参加した。

木育ワークショップは子どもが「モノを作る」「モノを修理する」「モノを作り替えて長く使う」という体験を通じ、価値観とライフスタイルの変化を評価することを目的に計3回行う。まな板を作る子どもの笑顔分析とアンケート分析から子どもの心理的な変化を測定する。木育ワークショップには、家庭で使うまな板を子どもが作り、使用することによって、家族のコミュニケーションの促進を図る狙いもある。

  • まな板作りに夢中になって取り組む

当日、子どもたちは地球環境問題などについて講義を受けてから、まな板づくりを開始。カッティングボードをヤスリ掛けした後、ハンダごてで焼き絵を施し、最後に食用油でコーティングすることでまな板を完成させた。参加した子どもからは「まな板を作った経験がなかったため最初はドキドキしたが、最後は夢中になって作った。母親にたくさん使ってもらいたい」や「作ったまな板を次回直すのが楽しみ」といった感想が出た。

同時に始まった秘密基地プロジェクトは「楽しみを自給するライフスタイルを実践する」ことを目的に行う。

今回まず大人が秘密基地を完成させた後、それを見た子どもが夏休みに新たな秘密基地を造る。参加する大人は「本気で楽しむ姿を子どもたちに見せたい」と意気込んで取り組み、ツリーハウスの土台やブランコなどを造り上げた。

古川准教授は「参加者から活力を感じた」と評価し、「その活力が今後、地域のライフスタイルの変革を引っ張るはず」と期待を込める。

モノづくり体感スタジアム2017

モノづくり日本会議(事務局=日刊工業新聞社)は7月15、16の両日、東京都港区のTEPIAエキシビションホールで「モノづくり体感スタジアム2017」を開催する。モノづくり日本会議会員企業など8社・団体が出展し、子どもがモノづくりや科学などを楽しく学べるワークショップを実施する。開催時間は10時から17時まで。入場は無料。

  • EVミニカーのレースを楽しむ(昨年の日本航空電子工業のブース)

■楽しく学び、考えるワークショプ実施

モノづくり体感スタジアムはワークショップを通じ、次世代を担う子どもたちにモノづくりの楽しさを伝えるのことを目的としており、今年で8回目。モノづくり日本会議からは野火止製作所、日本航空電子工業、コマツの3社が出展する。

野火止製作所の「こども『ちょぼきんばこ』製作教室」は、同社が製造・販売している楽しめる募金箱「コロコロ募金箱」の子ども版を「ちょぼきんばこ」と名付け、実際に子どもが「ちょぼきんばこ」を製作する。

日本航空電子工業の「電気を『つないで』EVカーを走らせよう!」は、電気自動車(EV)のミニカーを組み立てることで、電気をつなぐコネクターの仕組みと役割、電気の流れなどを学習する。最後に作ったEVでレースも行う。

コマツの「油圧ショベルはバランスが命」は、重いものを持ち上げても転倒しない油圧ショベルの仕組みを、木製模型を組み立てることで考える。組み立てた模型で荷物を運ぶ競争も行う。

  • 木製模型のショベルを組み立てる(昨年のコマツのブース)

この他、全日本製造業コマ大戦協会の「子どもコマ大戦」は、町工場で作った精度の高いコマの部品を参加者が組み立てて勝負する。作ったコマは持ち帰ることができる。

芝浦工業大学地域連携・生涯学習センターの「LED花火をつくろう!」は、同大が開発した電子教材「LED花火」を実際に製作する。ロボティクスを専門にする教員が発光ダイオード(LED)花火基板などについて解説・指導する。

東京大学先端科学技術研究センターの「昆虫の感覚と行動のしくみをさぐろう」は、カイコガの匂いを探す行動や、脳・筋肉に伝わる電気信号を調べ、脳の仕組みを考える。人の筋肉の電気信号でロボットを動かすデモも実施する。

ORSO(オルソ)の「ミニドローンを飛ばしてみよう!」は、飛行ロボット(ドローン)のレースパイロットからミニドローンの操作を直接教わり、ゲームに挑戦する。ミニドローンの操縦を1人5分間体験できる。

CANVASの「お絵かきdeプログラミング ロボットを動かそう!」は、色の付いた線の上を辿(たど)ロボット「Ozobot(オゾボット)」をペンとツールを使ってプログラミングする。オゾボットが通る線の色の並びによってスピードや方向などが変化する。

CANVAS以外は事前申込制(空きがあれば当日参加可能)。詳細はホームページ(http://mono-stu.jp/index.html)へ。

新鋭経営会フォーラム2017 挑戦する中堅中小企業の経営者は語る

新鋭経営会はモノづくり日本会議、日刊工業新聞社と共催で、「新鋭経営会フォーラム2017 挑戦する中堅中小企業の経営者は語る」を大阪市北区のナレッジキャピタルで開いた。会員企業の中から若手経営者5人が「わが志とビジネス・イノベーション」をテーマに講演。84名の参加者が各社の挑戦に聞き入った。

  • 新鋭経営会フォーラム会場(竹本祐介日刊工業新聞社取締役大阪支社長あいさつ)

■講演者

中村超硬・井上誠社長

クロスエフェクト・竹田正俊社長

興研・村川勉社長

木村鋳造所・木村寿利社長

清川メッキ工業・清川肇社長

■技術・製品、高付加価値に挑戦

新鋭経営会は全国の新進気鋭の中堅・中小企業33社の経営者で構成する。フォーラムの冒頭、岩田一明新鋭経営会会長は「各企業の経営者が持っている志に向かってどうアプローチしているのかを学んでいただきたい」と相互触発への期待を述べた。

講演した5社はいずれも研究開発型企業。経営環境の変動に強い会社を志向し、付加価値の高い技術、製品の開発に挑んでいる。

中村超硬(堺市西区)の井上誠社長は新技術開発を重ね、債務超過寸前の同社を株式上場するまでに育てた経緯を説明。「創業時の超硬合金加工からダイヤモンド部材製造へと事業転換を図ってきた」とし、ダイヤモンド部材も当初のノズルから現在の主力であるワイヤへと商品構成を変革している。さらに次代をにらんだ新たな研究開発テーマとして再生医療分野を挙げ、医工連携を進めていることを示した。

クロスエフェクト(京都市伏見区)の竹田正俊社長は信奉するドラッカーの言葉を元に「会社に明確な使命を埋め込むことが経営者の責務」とし、「開発者を徹底的にサポートし、期待を超える試作品を提供する」を同社の使命としている。「仕事は意義で選ぶ」とし、工業品の試作だけでなく、心臓など手術シミュレーション用臓器モデル開発にも取り組む。

興研(東京都千代田区)の村川勉社長は「強みを持つ防じんマスクだけでは市場が狭い」と環境改善設備事業、強酸性電解水事業に進出した。「従業員の3分の1が研究開発職」と技術志向を徹底し、「世の中にない」「真に人の役に立つ」製品開発を続けてきた。

木村鋳造所(静岡県清水町)の木村寿利社長は「鋳造業の革命児になる」を目標に掲げ、ITを駆使したモノづくり拡大や鋳鋼鋳物の用途拡大、3次元測定機を活用したリバースエンジニアリングなどのイノベーションに取り組んだ。鋳造業の廃業が相次ぐ中で、生産重量拡大と付加価値を高める戦略を両立するハイブリッド型ビジネスモデルを進め、成長を確保している。

清川メッキ工業(福井市)の清川肇社長も全国的にメッキ業者が激減する中で、景気変動に左右されない技術開発に力を入れた。14年かけて自動車用パワーデバイスの量産化にこぎつける一方、社員の技能向上に取り組み、全国メッキ技術コンクールで日本一を9度受賞するまでになった。

閉会あいさつで、竹本祐介日刊工業新聞社取締役大阪支社長は「各社トップの経営論を聞き、わが国モノづくりの将来に自信を持つことができた」と述べ、新鋭経営会と連携し同様のフォーラムを継続開催する意向を示した。

(2017/7/5 05:00)

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