[ 政治・経済 ]

【電子版】トランプ米大統領、次期FRB議長にパウエル氏指名へ

(2017/11/2 11:30)

(ブルームバーグ)トランプ米大統領は連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長にジェローム・パウエルFRB理事を指名する方針だ。大統領の決定に詳しい関係者3人が明らかにした。

 トランプ大統領はプライベートエクイティ(PE、未公開株投資)会社カーライル・グループの元マネジングディレクターで、緩やかなペースでの利上げ継続を支持し、金融規制の緩和を目指すホワイトハウスに理解を示す人物を起用することになる。同大統領は2日に次期FRB議長を発表すると述べていた。

 金融市場の反応は落ち着いており、ドルは一時値を消した一方で、株式と債券はほぼ変わらずとなった。

  • ジェローム・ パウエル氏。トランプ大統領は緩やかな利上げを進めるFRBの政策を重視し、現在の執行部から次期議長を起用する方針(ブルームバーグ)

 パウエル氏は首都ワシントン郊外の自宅の外で記者の問い掛けに対してコメントを控えた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先に、大統領がパウエル氏起用を決めたと報じていた。

 パウエル氏(64)は財務次官を務めた経歴も持つ。上院で指名が承認されれば、2015年12月を皮切りに政策金利をこれまでに4回引き上げ、4兆5000億ドル(約514兆円)に上るバランスシート縮小に着手したばかりのイエレン現議長からバトンを引き継ぐことになる。

 オバマ前大統領から12年にFRB理事に指名されたパウエル氏は共和党系だが、特定のイデオロギーに偏らず、優れた戦略的感覚を備えた実務的な当局者という評判を得ている。金融政策の策定と説明で公に人目を引くような役割を果たしていないものの、緩和縮小に対するイエレン議長の慎重なアプローチを総じて支持してきた。

 ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのチーフエコノミスト、ジョン・シルビア氏はパウエル氏について、「彼は金融政策に継続性をもたらす」と述べるとともに、「取り沙汰された人々の中で、彼が最も容易に承認を得られるだろうと私はかねて指摘してきた。上院は彼を以前に承認しており、彼は事情を把握している人物と考えられる」と語った。

景気拡大

 来年2月3日で4年間の任期が切れるイエレン議長の在任中、景気拡大は9年目に突入し、失業率は16年ぶりの水準に低下した。トランプ大統領がより高い経済成長率と低金利の継続を望ましいとする見解を示す中で、こうした景気回復基調を維持できるかどうかはパウエル氏の手腕次第となる。

 ロースクール出身のパウエル氏は、経済学博士号を持たないFRB議長としてはボルカー氏以来となる。当局者が低過ぎると考えるインフレ率や、高水準にあると見なす株価など資産価格にどう対応するか、パウエル氏は経済学博士号を持つFRBの300人余りのエコノミストと協力して判断を下さなければならない。

 パウエル氏は14年の米国債市場のフラッシュクラッシュやロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の見直しの際にFRBの対応を指揮。金融決済システムの監督という地味ながら不可欠な業務でFRBの窓口も務めた。

 ブッシュ(父)政権では財務次官(国内金融担当)を務めた経歴もある。同省では、ソロモン・ブラザーズによる米国債不正入札発覚を受けた市場の暴落を防ぐのに取り組んだ1人。

 公職以外では金融業界に長く身を置き、投資銀行のディロン・リードやカーライル・グループに在籍した。16年の資産公開では、パウエル氏の資産は最大5500万ドルとされる。カーライルの共同創業者デービッド・ルーベンスタイン氏は今年のインタビューでパウエル氏について、「経済界と公職、さらに法律分野の経歴も持つ。珍しい組み合わせだ」と語った。

(2017/11/2 11:30)

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