[ 政治・経済 ]
(2018/12/15 05:00)
【北京=時事】中国政府は14日、米国の対中貿易制裁への報復措置として米国からの輸入車に課している追加関税を来年1月1日から3カ月間停止すると発表した。米中貿易戦争で中国が一時的にせよ報復措置を取り下げるのは初めて。アルゼンチンで今月1日に行われた米中首脳会談での合意を実行に移す。
中国は世界に市場開放をアピールする狙いから、米国製も含め自動車の関税を今年7月1日から15%に引き下げた。しかしその後、対米報復として、米国からの輸入車の大半に25%の追加関税を適用し、関税率は現在計40%となっている。
1~3月に追加関税の徴収を見合わせるのは211品目。自動車に加え、自動車部品も含まれている。
トランプ大統領「うまくやっている」
【ワシントン=時事】トランプ米大統領は14日、中国政府が米国から輸入する自動車に上乗せしている25%の報復関税を一時停止すると発表したことを受け、中国が「対米貿易戦争による経済減速」を理由に譲歩したとツイッターに書き込んだ。制裁関税で圧力をかける米政権の手法を「非常にうまくやっている」と自賛した。
トランプ氏は、中国政府が同日発表した11月の小売売上高が15年半ぶりの低い伸びに落ち込んだことを念頭に、「貿易戦争の影響で中国経済は想定よりもはるかに減速している」と投稿。米中貿易協議で「大規模な取引」が早期に実現することに期待を示した。
米中首脳が今月1日に開始を決めた貿易協議は、来年2月末まで90日間の期限が設けられた。トランプ氏は13日、米国車向けの関税を現在の40%から15%に引き下げる中国の方針について「まだ高過ぎる」と訴えており、今後の協議で一層の引き下げを求めていくとみられる。
China just announced that their economy is growing much slower than anticipated because of our Trade War with them. They have just suspended U.S. Tariff Hikes. U.S. is doing very well. China wants to make a big and very comprehensive deal. It could happen, and rather soon!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2018年12月14日
(2018/12/15 05:00)