社会のデータを循環(活用)させ新しい価値を生み出す東芝【PR】

(2022/10/13 09:30)

 カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー(循環経済)への取り組みは企業にとって努力目標から至上命題になりつつある。事業活動を通じていかに環境負荷を低減するのか。東芝のCEATECの展示からはこれからの企業が目指すべき姿が見えてくる。

―今回のCEATECでの展示テーマや製品について教えてください。

  • 技術企画部 バイスプレジデント 天野隆 氏

天野

会場では、社会のデータを循環させ、新しい価値を生み出し、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの実現に貢献する当社グループの技術・ソリューションを展示します。

 当社の技術が、エネルギー、インフラシステム、デバイスなど、社会の様々な場面を支えていることや、各場面から得られるデータの力にさらに付加価値を与えて活用していくことを表現し、グループ経営理念の“人と、地球の、明日のために。”をわかりやすく体感できる技術にこだわった内容になっています。デジタル化を通じて社会課題に貢献する取り組みを感じてもらえればと思います。

  • モビリティ向け超電導モーター(試作機)

 展示ブースは8つのテーマから構成されています。フィジカル領域の展示として、超電導モーター、パワー半導体、次世代太陽電池、P2Xの4テーマ、DX(デジタルトランスフォーメーション)やDXを支えるインフラ技術として、「ローカル5G」、「再生可能エネルギーマッチング」、「電子レシートと購買データ活用」の3テーマを展示しています。また、量子インターネットの時代を見据え、セキュアな通信を実現する量子暗号通信の技術を紹介するコーナーも設けています。

―特に注目すべき技術はどれになるでしょうか。

  • 技術戦略室 戦略企画担当 エキスパート 渡邉勝信 氏

渡邉

全てが皆様の生活に関わるので見ていただきたいのですが、超電導モーター、次世代太陽電池、そしてP2Xの3つには特に注目して欲しいですね。

 中でも超電導モーターは、モビリティに革新をもたらす技術といっても過言ではありません。当社でこれまで長年培ってきた超電導技術、モータードライブ技術、そして回転機技術を融合して実現した技術です。同じ出力レベルの電気モーターと比較し10分の1以下の軽量化と小型化を実現しています。超軽量・小型・高出力の超電導モーターとして、航空業界のカーボンニュートラルに大きく貢献できるはずです。

  • 透過型Cu20太陽電池セル(試作機)

 2つ目の次世代太陽電池はCu2O(亜酸化銅)タンデム型太陽電池とフィルム型ペロブスカイト太陽電池の2種類です。前者のCu2Oタンデム型太陽電池は、低コストと高効率を両立しうる、当社が独自開発した太陽電池です。EVなど電動モビリティに装着し、限られた設置面積でも大電力を供給可能です。太陽光で1日充電すると、37km程度の無充電走行を実現し、近距離ユーザーの1日の走行距離をカバーできると試算しています。

 軽量薄型で曲面への設置も可能なフィルム型ペロブスカイト太陽電池と合わせて、再生可能エネルギーの普及拡大に貢献できます。

 3つ目がP2Xです。P2Xとは、Power to Gasの頭文字をとったP2G、そしてPower to Chemicalの頭文字をとったP2Cを総称した略称です。P2Gは出力変動が激しい再エネの余剰電力を水素に転換して、大容量の電力貯蔵を可能にする技術です。変換された水素は、様々な分野でCO2を排出しないエネルギー源として利用されます。P2Cは、再エネの電力を利用し、CO2を分解して、化学品などの資源に転換し循環利用するカーボンニュートラルに貢献する技術です。

―その他に見逃せない技術はありますか。

  • 技術戦略室 戦略企画担当 シニアマネージャー 石川諭 氏

石川

データの力を活用してカーボンニュートラルに貢献する「再生可能エネルギーマッチング」が挙げられます。社会全体のエネルギー需給を最適化して、カーボンニュートラルを実現する技術です。

 再エネは天候によって発電量が安定しない課題があります。当社は課題解決のため、分散型電源と呼ばれる様々なエネルギー源を遠隔制御し、一つの発電所のように束ねるVPP(バーチャルパワープラント)の実用化を進めています。

 また、電力需要量と発電量を正確に予測することで、需給を調整して「つくる・おくる・ためる・かしこくつかう」を最適化し、再エネの導入を促します。

 もう一つ見逃せない技術が量子暗号通信です。現在の暗号技術の通信は、盗聴・保管されると、将来、量子コンピュータに解読される恐れがあります。当社では、光子の量子力学的な性質を利用して、理論上盗聴が不可能な「新時代のセキュアな通信」を実現しました。既に世界中で商用実証が開始されています。

―新しい東芝として、これらの技術を使って社会課題にどのような価値を創造してくのでしょうか。

天野

東芝は、「カーボンニュートラル」と「サーキュラーエコノミー」の実現への貢献を掲げています。具体的な取り組みとしては、一人ひとりの安心安全な暮らしを守るために「誰もが享受できるインフラを構築すること」、そして社会的・環境的な安定のために「繋がるデータ社会を構築すること」です。

 私たちは長年にわたり、社会の重要インフラを支える事業に携わってきました。その過程で培った知見・技術・お客様との繋がりは何にも代えがたい資産です。これらの資産をベースに「データの力」を最大限に生かして、新しい価値を持続的に創造したいと考えています。今回の展示は実用化が間近な技術が中心です。展示を見ていただくことでみなさまの生活や未来がどう変わるかを体感いただければと思います。

※タンデム型太陽電池

吸収する光(波長)が異なる2つの太陽電池(セル)を重ね合わせ、両方のセルで発電することで全体の発電効率を向上させる太陽電池。先に光が当たるセルをトップセル、トップセルを通過した光が当たるセルをボトムセルと呼ぶ。

(2022/10/13 09:30)

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