理工系学生科学技術論文コンクール、文科大臣賞・橋口さん（九大）ら表彰

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  文部科学大臣賞を受賞した九大の橋口さん（右）

日刊工業新聞社は「第２３回理工系学生科学技術論文コンクール」の贈賞式をアルカディア市ヶ谷（東京都千代田区）で開き、最優秀賞・文部科学大臣賞を九州大学４年生の橋口創一さんに贈った。「理工系分野における男女比率是正のために必要な視点」をテーマに、大学入試の女子枠をめぐるアファーマティブ・アクション（ＡＡ、積極的差別是正措置）について論じた。今回は９１編の応募があり、優秀賞や特別賞など６編が表彰された。

橋口さんはＡＡが選ばれる背景について進路選択を控えた高校生に説明し、大学はその過程を透明性高く進めることが女性活躍の環境を作ると提言した。橋口さんは「科学技術と社会の将来を考えることを通して視野が広がった。これが横断的な学びの基礎になる。科学技術の発展につなげたい」と抱負を述べた。審査委員長を務めた米国蒸留研究機関（ＦＲＩ）の大江修造顧問は「日本の女性研究者に対するＡＡは、世界のモデルケースとなりイノベーションにつながることを期待する」と祝辞を贈った。

贈賞式は新型コロナウイルス感染対策を施して実施した。文科省科学技術・学術政策局の橋爪淳人材政策課長、井水治博日刊工業新聞社社長が受賞者らに賞状や盾などを贈呈した。