豊田合成、海外拠点で研究開発 タイに生産技術組織

(2023/8/8 05:00)

  • 豊田合成の中国拠点「TG正奥」。研究開発のほかに経営機能の一部も持たせる

【名古屋】豊田合成は2023年度内にも、電気自動車(EV)や自動化などに関する研究開発の一部機能を海外拠点に担わせる。研究開発が日本に集中している現状を改め、海外拠点の得意分野や市場動向を見極めた上で、個別の研究開発テーマごとの中核組織(センター・オブ・エクセレンス、CoE)を海外拠点に置く。CoEに社内の知識や情報を集約。成果を他拠点に展開し、全社の事業競争力を底上げする。

まずタイに生産技術に関するCoEを設置する方向。タイ拠点は主に車の内外装部品を製造しており、「からくり技術」などを用いた低コストで省エネルギーな生産技術の開発を得意とする。

豊田合成は人件費抑制や人手不足対応の観点からロボットなどを活用した生産自動化に取り組む一方、多額の投資を必要としない生産技術の改善策も重視する。こうした技術に強いタイ拠点にCoEを構え、ノウハウをさらに磨くと同時に、日本を含めた他地域の製造現場に広げる。

一方、中国ではEVの普及が加速していることから、EV向け部品の開発などの一部を中国拠点に担わせる見込み。EV向け部品のベースを中国拠点で構築し、他地域にも展開できるようにする。研究開発のほかに経営機能の一部も持たせる。

豊田合成は経営スピード向上を狙いに、6月から社長の権限の一部をチーフオフィサー(CxO)に移譲した。海外でも地域本部長などの権限を広げ、幹部育成も進める。

国内外の製造業やIT関連企業などでCoEの導入が増えている。組織に横串を通す形でCoEを設置し、社内の情報を集約。意思決定を迅速化したり、CoEを海外に設置して現地の最新情報を素早く経営や開発に反映させる例が多い。

(2023/8/8 05:00)

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