不二越、小型協働ロボ投入 産ロボベースに開発

(2023/8/25 05:00)

安全性と高速動作両立

不二越は産業用ロボットをベースにした協働ロボットを開発し、シリーズ展開に乗り出す。第1弾製品として小型協働ロボット「CMZ05」を月内に市場投入する。専用設計による既存の協働ロボットと比べて軽量で高い剛性を持たせたことで、高速・高精度の動作性能を実現。生産性の高さを武器に、電機・電子分野を中心に小型ロボットのニーズを取り込む。

  • 不二越は小型協働ロボット「CMZ05」を8月中に投入する

CMZ05は高速・高精度を特徴とする産業用ロボットのベストセラーモデル「MZ07LF」をベースに開発した。人の接近を検知するエリアセンサーにより、動作速度を切り替えられる。協働時の最高速度は毎秒1000ミリメートルで、非協働時は同2500ミリメートルとなる。

最大可搬重量は5キログラムで、最大リーチは927ミリメートル。位置繰り返し精度はプラスマイナス0・02ミリメートルを実現した。本体重量は53キログラム。同社のロボットの特徴である中空手首構造を採用。ロボット本体外側の配線・配管の引き回しを不要にし、周辺機器との干渉リスクを下げられる。国際電気標準会議(IEC)が規定する保護等級「IP67」相当の防塵・防滴機能も備える。

一般的に協働ロボットは伝統的な産業用ロボットに比べ、周囲の作業者の安全確保のため動作速度が遅い点が課題と言われる。今回の協働ロボットは、従来の協働ロボットを上回る高速性能を搭載しつつ、挟まれリスクを最小化した設計により高い安全性も確保。省人化や人手作業の補助にロボットを導入したくても安全柵の設置スペースがない現場や、安全柵を設けず省スペースの生産ラインを新規に構築したい現場での需要を見込む。

国際ロボット連盟によると、グローバルで2021年に設置された協働ロボットは20年比50%増の3万9000台に達した。深刻化する人手不足などを背景に年々設置台数が増えている。安全柵が不要なため、生産スペースが限定的な中小企業などにも有効なツールとされている。不二越では今後、可搬重量を増やした機種などCMZシリーズの製品群拡充を図る計画だ。

(2023/8/25 05:00)

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