人と生きる ロボット新時代(8)アイエイアイ社長・石田徹氏

(2023/11/17 05:00)

小型・薄型でイメージ変える

―ロボット事業の受注状況は。

「2023年12月期は売り上げで見れば、前期比ほぼ横ばいだろう。国内と米国は少し増えるが、中国向けが前期比40%減少する影響が大きい。24年12月期は製造業の国内回帰もあり、増収を見込みたい。電気自動車(EV)用バッテリー設備向けが増えており、EV用モーター向けも期待できる」

―今回の出展の見どころは。

「22種類のアプリケーションデモ機を用意した。当社の電動アクチュエーターを使ったアプリケーションで、さまざまな使い方をわかりやすく具体的に提案する。12工程で構成し、位置決め精度100分の5ミリメートルの性能を持つ全長9メートルのロボットでコントローラーを組み立てる自動組立ラインのデモ機は目玉の一つ。パレット循環型コンベヤーユニットにより、加工対象物(ワーク)のメーン搬送部から各工程作業をすべて自社製品で行う」

―小型製品中心の電動アクチュエーター「エレシリンダー(EC)」も展示します。

「電動はエアよりも大きいというイメージを変える。通常はモーターを内蔵するとサイズが大きくなるが、全長方向でかつてないほどの小型化を実現した。薄型ECとともに、シリーズ最小幅の機種など多数の製品を初出展する。小型・軽量でロボットの先端近くに設置できる吸着搬送用の電動真空ポンプなども自信作だ」

―今後の成長に向けて重視する点は。

「エアからの置き換えを狙ったECの性能や、使いやすさなどユーザー側に立った品揃えに引き続き力を入れる。ECは今回の出展品を加えると計127タイプで、今後5年程度で250タイプまで増やしたい。電動式の良さをユーザーに浸透させていく」

―250億円を投じて建設中の新本社ビルと新工場の状況は。

「24年6月に本社を移転し、その後に新工場を稼働する。現在の本社工場と富士宮工場を残しつつ、新工場の設備を順次増強する。自動化や内製化も進め、フル稼働になれば、既存工場と合わせて金額ベースで800億円の生産能力になる」

―持続可能な社会実現に向けてロボットの果たす役割をどう捉えていますか。

「あらゆる産業で人手不足になり、自動化が必須だ。生産技術を担う人員も減少していく。ロボットメーカーはプログラム、操作、メンテナンスなどを簡単に短時間で使える製品を作る必要がある」(静岡支局長・伊奈淳一)(総合1参照)

(2023/11/17 05:00)

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