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(2023/12/7 05:00)
LAN代替需要に対応
日本航空電子工業は工場自動化(FA)機器ネットワーク通信用のシングルペアイーサネット(SPE)コネクターの試作品を開発した。ケーブルを柔軟に曲げられる構造とし、設置の自由度を高めた。銅を含む電線材料をLANケーブルと比べて75%削減可能なため、材料費も減らせる。LANケーブルの代替需要を取り込み、2024年度上期(4―9月)の量産開始を目指す。価格は今後詰める。まずはロボット周辺機器への採用を見込む。
日本航空電子工業は中国や台湾の拠点での量産を想定している。海外生産により価格競争力を高めることでLANケーブルからの置き換え促進を目指す。SPEコネクターへの需要が高まる欧州のほか、日本国内での普及を図る。将来的にはビルやオフィスなどで使われるネットワークでの採用も視野に入れる。
試作品は他社のSPEコネクターと比べ、嵌合(かんごう)部付近を覆う「フード」が小さい。結線構造の工夫によりフードを小型化したことで、ケーブルを柔軟に曲げることができ、設置の自由度を高めた。
従来のLANケーブルは4対8芯だが、SPEコネクターは1対2芯のため、ケーブルを細くできる点も特徴。SPEコネクターを用いることで接続先の機器内の基板を小さくでき、機器全体の小型化にも貢献する。
SPEはデータ伝送と同時に直流(DC)給電を実現する技術。22年3月にはSPEの普及を目的に「SPEコンソーシアム」が発足し、日本航空電子工業も参加している。
(2023/12/7 05:00)