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(2018/12/11)
カテゴリ:その他
リリース発行企業:公益財団法人日本ユニセフ協会
国連3機関、食料危機の高まりに警鐘を鳴らす
【2018年12月7日 ローマ発】
世界で最も深刻な人道危機に直面するなか、イエメンでは、約2,000万人が食料危機に陥っています。本日、ユニセフ(国連児童基金)、国連食糧農業機関(FAO)および世界食糧計画(国連WFP)は、食料安全保障についての客観的な分析である「総合的食料安全保障レベル分類(Integrated Food Security Phase Classification、通称IPC)」の最新データを共同で発表しました。そのなかで、現在約1,590万人が空腹の状態で目を覚ます生活をしていると指摘しています。
紛争が食料危機を引き起こす主な原因であることには変わりがありません。そして、収入の減少によって生計が立てられなくなっていることや、主要作物の価格が上昇していることも、家庭の食料購入能力の減退を招いています。また、為替レートの予測できない変動や信用取引の規制が輸入に影響を及ぼしています。さらに、公共サービス、社会的セーフティーネットや対処メカニズムの崩壊によって、数百万人のイエメン人が危機に対しより脆弱な状態に置かれています。
「おとなによる戦争でも、最初に、そして最も苦しむのは子どもたちです」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは訴えます。「紛争や経済危機といった状況がすぐに改善しなければ、何千人ものイエメンの子どもたちが深刻な栄養不良により亡くなるおそれがあります。紛争当事者は、争いを止め命を救うか、或いは争いを続けさらに多くの子どもたちを死なせるか、そのいずれかを選ばなければなりません」
<子どもたちを取り巻く深刻な栄養不良>
子どもたちを取り巻く急性栄養不良の程度は重いままです。イエメンでは、180万人の子どもが急性の栄養不良で、それには最も深刻な状態にある約40万人の子どもが含まれます。重度の急性栄養不良の子どもは、もし治療が間に合わなければ、同年齢の健康な子どもに比べ、死のリスクが11倍高まります。重度の栄養不良を悪化させているのは、食料の不足、家庭における不十分な子どもの食事、最善には及ばない保健、水と衛生システム、病気の流行や経済の崩壊等の複合的な要因です。
<高騰した食料に手が届かず>
市場は開いているものの、価格高騰により食料を手に入れることが難しくなっています。比較的安定している地域でも、危機以前に比べ食料価格が150%まで上昇しており、人口の大部分は、基本的な食料品を手に入れることができなくなっています。料理に用いる燃料の費用も上がっています。
農業部門も紛争により大きな打撃を受け、食料の生産量が急激に落ちています。危機が長期化しているにもかかわらず、農業は依然として人口の4分の3にとって主要な生計手段です。多くの人々にとって、農業は収入を生み出せる唯一の手段です。市場の食料を入手できるようにするために、農業への支援は不可欠であり、地域の食料生産をサポートし、生計を守り食料安全保障を改善していかなければなりません。
イエメンは、紛争が始まる前でさえ、輸入への依存を原因として慢性的な食料不足に陥りやすい傾向がありました。国が必要とする食料の75%以上を輸入に頼り、80%のイエメンの人々は貧困ラインを下回る生活をしていました。
<人道支援>
ユニセフは、イエメンの既存の保健施設において、子どもの重度の急性栄養不良を予防し治療するためのプログラムの実施を加速させてきました。これには、スタッフの研修や施設で必要とする設備の整備、重度の急性栄養不良の子どもに特化した治療食や薬の供給が含まれます。2018年現在、約23万人の子どもが重度の急性栄養不良の治療を受けました。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 ( www.unicef.or.jp )
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