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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/1/24 05:00)
日立金属は23日、子会社の日立金属ネオマテリアル(大阪府吹田市)が、より高容量のリチウムイオン二次電池に適したクラッド集電箔(はく)(写真)を開発したと発表した。2019年ごろの量産を目指す。芯材にニッケルとニオブの合金を用いて、高い引っ張り強度を実現。結果として、より高容量の電池で長寿命化を実現できるとしている。
リチウムイオン電池の高容量化に伴い、同社は負極活物質に充放電容量の大きい合金系材料が使われるケースが増えると予測。ただ、合金系材料は電池の充放電時に体積が大きく変化するため、隣り合う集電箔にも充放電の度に大きな圧力がかかり、シワ状に変形。活物質にひび割れを起こして寿命を短くしてしまう欠点がある。
そこでニッケルに5%のニオブを添加した合金を芯材とすることで、強度と圧延加工性を両立。表層の両面に電気抵抗の低い銅を積層し、合金を挟んだ3層クラッド材を開発した。引っ張り強度は競合する電解銅箔や圧延銅箔の2倍前後。電気自動車などに搭載される高容量の電池で特に優位性を発揮するとしている。
日立金属ネオマテリアルはクラッド材を得意とする複合金属メーカー。現在も銅とアルミニウムのクラッド材などを供給している。今後も電池材料を中心に事業を拡大し、売上高を14年度の210億円から21年度には360億円まで引き上げる計画だ。
(2017/1/24 05:00)