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[ 科学技術・大学 ]
(2017/2/21 05:00)
東京工業大学学術国際情報センターは今夏の稼働に向け、次世代スーパーコンピューター「TSUBAME(ツバメ)3・0」の開発を始めた。理論演算性能は16ビットの「半精度」以上で47・2ペタフロップス(ペタは1000兆、フロップスは浮動小数点の半精度演算性能)。人工知能(AI)分野における需要増に対応する。既存のスパコンと併せて運用することで、国内最大のスパコンセンターが誕生する。
新「TSUBAME」の開発は約7年ぶり。2010年11月に稼働した「TSUBAME2・5」と合わせると、半精度以上で64・3ペタフロップスの演算性能になる。科学技術計算の多くは、データサイズが64ビットの「倍精度」が必要だが、AIやビッグデータ分野は16ビットの半精度で処理することが可能。「3・0」ではこれらの用途で利用拡大を狙う。
今後、東工大は日本SGI(東京都渋谷区)や米エヌビディアなどと共同で開発を進める。従来のチップとの互換性が高く、演算処理性能を向上した米エヌビディアの第4世代新型グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を2160個搭載する。
電力効率を高めたほか、ストレージの高速化や大容量化を進め、ビッグデータアプリケーションの処理速度を大幅に向上。システムの冷却効率も最適化しており、屋外に設置される冷却塔で少ない消費電力で冷却水を供給でき、主要なプロセッサーの冷却に使う。
倍精度の理論演算性能は12・15ペタフロップスで、スパコン「京(けい)」を上回る国内最高性能になる。
(2017/2/21 05:00)