[ 政治・経済 ]
(2017/4/19 05:00)
経済産業省は、製造業のデータ漏えい対策などを支援するため、新たな指針の策定に乗り出す。企業が情報の安全性(サイバーセキュリティー)を確保しつつ、IoT(モノのインターネット)を工場へ導入できるようにする。16年7月に公表した「IoTセキュリティガイドライン」は産業界全体が対象のため、製造現場に特化した指針を追加することで、支援を拡充する。2017年度中の策定を目指す。
月内にロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)内に新たなグループを設け、指針策定に向け検討を始める。IoTやロボットなどを積極活用する「スマート工場」が当面のテーマ。機械同士や上位システムなどをつなげて運用するのに必要なサイバーセキュリティー対策を指針化する。例えば、制御プログラムや設計データの流出を防ぐための方策などを盛り込む方針だ。
経産省は総務省と連携し、さまざまな産業に適用できるIoTセキュリティガイドラインを公表したが、業種に特化した指針はまだないため、各分野の特性を踏まえたものを別個に設ける方向だ。
第1弾として製造業向けの指針を検討する。製造業では稼働10年以上の機械も多く、工場全体にサイバーセキュリティー対策を施すのは簡単ではないため。また、自力での対策が困難な中小企業が多いことも理由。このため、現場の実情を踏まえた上で、利用価値の高い指針の策定を目指す。
(2017/4/19 05:00)