- トップ
- 化学・金属・繊維ニュース
- 記事詳細
[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/7/7 05:00)
【川越】垣堺精機(埼玉県小鹿野町、垣堺正男社長、0494・75・3310)は、ドイツの企業群や研究所と共同で炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やアモルファス合金のせん断技術開発に乗り出した。CFRPはせん断することで路盤強化材などへのリサイクルを目指す。アモルファス合金ではプレスで打ち抜き加工できるようにして、モーターコアなどの製造コスト低減を目指す。
いずれも最終的には、軽量化やモーターの効率向上で自動車の環境性能向上につなげる。一般に、CFRPは鋼材を代替することで車体を軽量化できるが、炭素繊維は廃車後にリサイクルしにくいことがネックとなっている。「細かくせん断できれば、CFRPから樹脂を溶かして分離し、リサイクルできる。いちばん効果的なのが道路。アスファルトに混ぜれば路盤が丈夫になる」(垣堺社長)ことをバイエルン州の新素材産業クラスターに提案した。同社によると「ドイツにはそういう発想がまったくなく、今は炭素繊維をハサミで切っている状況」(同)なことから共同研究に至った。
一方、アモルファス合金では、プレスせん断によって大量に打ち抜くことで、モーターコアの製造コストを大幅に引き下げる。「熱損失の小さいアモルファス合金で電気自動車(EV)用にモーターコアをつくれば、消費電力を大幅に削減できる」(同)ため、EVの航続距離を延ばすことを目的に、金属材料などを専門とするバイエルン州内の公的研究所と共同研究することで合意した。
せん断する刃や金型の材質は、いずれもセラミックス製とし、長岡技術科学大学と共同開発する。「当社が炭素繊維とアモルファスの両方を取り扱っていたので、セラミックスを使えるという発想になった」(同)としており、異なる二つの素材を同じ技術でせん断できるようにする。
(2017/7/7 05:00)
素材・ヘルスケア・環境のニュース一覧
- 垣堺精機、せん断技術−炭素繊維・アモルファス合金を独社と協業、再利用促進(17/07/07)
- JFEスチール、有害物析出抑制の鋼板を開発-耐食性劣化を防止(17/07/07)
- セルロースナノファイバー最前線・企業編(11)ダイセル(17/07/07)
- 積水化学、ベトナム樹脂管材TPSに出資−南部市場の開拓加速(17/07/07)
- 旭硝子、導光板用ガラスを開発-業界最高水準の光透過性能(17/07/07)
- 帝人など、RFIDタグ物品管理システムで実証実験−看護師負担85%軽減(17/07/07)
- 三菱ケミカル物流など、化学品輸出入業務で新会社(17/07/07)
- 新日鉄住金ステンレス、フェロクロムの7―9月輸入価格を44セント下げ(17/07/07)
- 経営ひと言/オルガノ・鯉江泰行社長「プロセス直結」(17/07/07)