[ 科学技術・大学 ]

手のひら大の人工衛星、関西の大学・製造業が製作開始 宇宙で電子部品実証へ

(2017/7/21 05:00)

  • 夢宙が作製する超小型人工衛星「ドリームサテライト01」の試作品

大阪工業大学や関西のモノづくり企業などが参加する「航空宇宙振興会夢宙(むちゅう)」(大阪市北区、菊池秀明代表、090・2064・3514)は、手のひらに載る小型サイズの人工衛星の製作に着手した。今後の衛星開発への使用が期待される最新の電子部品を搭載し、宇宙空間での電子部品の性能の実証実験を行う。関西の製造業が宇宙分野へ進出する第一歩となる。

クラウドファンディングで8月7日まで研究開発費の出資を募り、1口1万円で総額1000万円の獲得を目指す。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が大型国産ロケット「H2B」で打ち上げる宇宙ステーション(ISS)用補給機「こうのとり」へ搭載し、2018年度中にもISSへ運ぶ計画。ISSから衛星を放出し、地球の上空約400キロメートルの地球周回軌道に入る計画だ。

製作するのは10センチメートル角サイズの衛星で、夢宙に所属する約50人が共同製作する。衛星には最新型ICチップや光で電気信号を伝達する半導体「フォトカプラ」を搭載。実証実験を通じ、人工衛星の高性能化や開発費の削減を目指す。さらに地上で使われている民生用太陽電池も搭載し、宇宙耐性や放射線損傷などの評価も行う。

夢宙は6月にJAXAと「超小型衛星の放出に関わる契約」を締結し、開発に向けた準備を進めていた。菊池代表は「民間主導の小型衛星は計画から約1年と短期間で打ち上げられるため、最新の電子部品を搭載した実験ができる」と衛星開発の意義を強調している。

(2017/7/21 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい空気圧の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい空気圧の本

技術士第一次試験「機械部門」専門科目過去問題 解答と解説 第9版

技術士第一次試験「機械部門」専門科目過去問題 解答と解説 第9版

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン