ＫＤＤＩ、ソラコム買収 ＩｏＴ知見・顧客基盤など獲得

ＫＤＤＩは２日、ＩｏＴ（モノのインターネット）向け通信サービスを手がけるベンチャー企業のソラコム（東京都世田谷区）を買収すると発表した。ソラコムが持つＩｏＴの利用事例に関する知見などを生かし、国内外で利用できるＩｏＴ基盤を構築する。スマートフォン市場が成熟期を迎える中で、成長分野のＩｏＴ事業を加速する。

ソラコムの発行済み株式の過半数を月内に取得し、連結子会社化する。取得額は非公表。ソラコムは２０１４年１１月に設立。１５年９月にはＮＴＴドコモの回線を借りてセンサーなどをインターネット回線に接続できるサービスを始めた。低速だが月数百円と安価に利用でき、顧客は約７０００社に上る。公共交通や農業の管理などの用途で使われている。

ＫＤＤＩは１６年からＩｏＴ事業を強化している。同年末にはソラコムと連携し、ＩｏＴ向け回線サービスを始めた。買収によりソラコムの知見や顧客基盤などを獲得。新規のＩｏＴサービスを創出するほか、国内外で利用できるＩｏＴ基盤の構築を目指す。

ＫＤＤＩは事業成長に向けて１６年度から３年間で５０００億円規模をＭ＆Ａ（合併・買収）に投じる方針を掲げている。