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[ 商社・流通・サービス ]
(2017/8/10 05:00)
【横浜】観光列車「伊豆クレイル」が、運行開始1年間で平均乗車率80%を超えた。同列車はJR東日本横浜支社(横浜市西区)が、小田原―伊豆急下田間で運行している。伊豆方面には7月21日から、東京急行電鉄と伊豆急行が観光列車の「ザ・ロイヤルエクスプレス」の運行を開始。JRは「タッグを組んで伊豆にお客さまを呼び込む」(渡利千春横浜支社長)として相乗効果を期待する。伊豆クレイルの現状を追った。(横浜・渡部敦)
伊豆クレイルは2016年7月16日、「あえてゆっくり行く」をコンセプトに運行を開始した。一部乗客に提供する食事メニューを3カ月ごとに変更し、車内販売の商品やイベントなどの充実を図り乗車率が堅調に推移した。17年6月末までに108往復し、悪天候や車両故障による運休がなかったため、80%を超える年間平均乗車率を維持した。
現在、9月末まで運行分の食事付き旅行商品が発売中で売れ行きは好調だ。横浜―伊豆急下田間を運行するザ・ロイヤルエクスプレスとの競合も懸念されるが、「役割分担を図り、うまくやっていける」(同)と自信を示す。
課題は昨秋から今春にかけて、下りと比べ乗車率がやや低かった上り列車の利用拡大。この季節は日没が早いため、夕方以降は景色が楽しめないことが要因とみられる。
課題解決のヒントは7月28日に運行開始1周年を記念して企画した、特別列車にある。小田原発17時10分、終点の熱海着19時18分のダイヤにも関わらずチケットは完売。折り返しの伊東で行った、地元出身のフラワーアーティストとサックス演奏などのイベントにも乗客の注目が集まった。終点の静岡県熱海市では花火大会も開かれた。
現状は1周年記念列車のような企画の予定はないというが、通常版の伊豆クレイルでも利用拡大に向けた新企画を実施する余地はある。沿線の名産品など隠れた魅力を発掘し、「乗って楽しい列車」を作り続けることが運行を継続させる得策と言えそうだ。
(2017/8/10 05:00)
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