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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/11/5 14:30)
50万台生産計画、さらに困難に
(ブルームバーグ)電気自動車(EV)メーカー、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はあまりに壮大な目標を掲げているが、同社は現実に目を向ける必要があるかもしれない。
テスラの新型EVセダン「モデル3」の生産が低調なスタートを切り、来年に50万台を生産する計画はさらに野心的なものとなった。マスク氏は生産を阻んでいるボトルネックの解決に自信があるかもしれないが、2018年目標を達成するには北米の生産台数で下位にとどまる同社のカリフォルニア州フリーモント工場の順位を3位まで引き上げる必要がある。
ミシガン州アナーバーを拠点とするセンター・フォー・オートモーティブ・リサーチの産業・労働・エコノミクスグループ担当ディレクター、クリスティン・ジクゼク氏は「どこであれ新車を売り出すのは難しい作業だ」と指摘。その上で、「テスラが設定した成長軌道で実行していくのは本当に大変なことだ」と話す。
マスク氏は意欲的な目標設定とウォール街の動揺を招かずにスケジュールを遅らせることでよく知られるが、モデル3を計画通りに生産していく上で抱える問題は別の話かもしれない。同社の株価が年初来で約50%上げているのは、主にモデル3生産の急拡大を投資家が期待しているためだ。
テスラの今年の生産台数は10万台を上回るペースで、フリーモント工場で昨年組み立てたセダン「モデルS」やスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルX」の約8万4000台から増えることになりそうだ。IHSマークイットが昨年調査した74工場のうち、同工場は生産で61位だった。
フリーモント工場で年産50万台というマスク氏の計画はどれくらい大胆なのか。北米全体でその生産台数を昨年達成したのは日産自動車のテネシー州スマーナ工場とトヨタ自動車のケンタッキー州ジョージタウン工場だけ。
フリーモント工場はもともとトヨタとゼネラル・モーターズ(GM)の合弁事業、ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI)が運営していた。IHSマークイットによると、NUMMI時代に年産が50万台に届いたことはなく、06年の42万8636台が最高記録となっている。
(2017/11/5 14:30)
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