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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/12/13 05:00)
JFEスチールは12日、繊維強化樹脂の活用で、軽量なのに変形しにくい自動車用ドア構造を、三菱ケミカルと共同開発したと発表した。スチール製ドアパネルの内側に、三菱ケミカルの独自技術で成形した炭素繊維強化樹脂を接着する。同樹脂を最適な位置に少量接着することで、薄くてもたわみなどの変形に強いドアパネルができるとしている。
自動車のドアパネルには大きな衝撃に耐える頑丈さに加え、ワックスがけなどの際にちょっとした力で生じるたわみに耐える力「張り剛性」が必要。
新開発のドア構造では長さ数センチメートルの炭素繊維を分散させた樹脂のシートをプレス成形し、目的の形状に加工してスチール製ドアパネルに接着する。
樹脂の形状や接着する位置は、シミュレーション技術の一種「トポロジー最適化技術」で割り出す。
厚さ0・5ミリメートルのスチールを繊維強化樹脂で補強したドアを試作したところ、同じ厚さでスチールだけのドアに比べて張り剛性が平均14%高まり、重量が12%軽くなることを実証できたという。
また、JFEスチールはトポロジー最適化技術の応用で、自動車車体の部品接合位置を最適化できる独自技術を、三菱自動車が採用したことも併せて発表した。
「アウトランダーPHEV Sエディション」「新型エクスパンダー」「新型エクリプスクロス」の3車種の設計で、構造用接着剤を塗布する位置を決める作業に用いられた。
接着剤の使用量を最小限にとどまり、接着剤の費用を抑えられるという。
(2017/12/13 05:00)