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[ 科学技術・大学 ]
(2018/1/8 05:00)
京都大学霊長類研究所の中川浩研究員と高田昌彦教授、大阪大学大学院医学系研究科の山下俊英教授らは、脊髄損傷後の手指機能の回復を抗体による治療によって促進できることをサルで確認した。神経の自由な成長を抑制するたんぱく質「RGMa」に対する抗体を使い、従来は難しかった損傷した中枢神経の再生を実現した。今後、ヒトへの臨床応用を目指し、2019年にも治験を始める。
脊髄損傷部の周囲に、RGMaが増加することがマウスで確認されていることから、研究グループは脊髄損傷させたアカゲザルにマウス由来のRGMa抗体を投与した。その結果、高等霊長類特有の、指先で物をつまむ精密把持機能の回復を確かめた。壁や床の穴に入った餌を制限時間内にどれだけ獲得できるかを測定した。
抗体を投与したサルは、6週間後に健常のサルとほぼ変わらない餌の数を壁から取得でき、床でも14週間後に8割程度の回復をみせた。未治療の自然治癒では壁で約5割、床で約2割程度の回復だった。
今後、臨床応用に向け田辺三菱製薬と連携し、ヒト由来抗体の静脈注射で効果を確認する。
(2018/1/8 05:00)
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