[ 政治・経済 ]
(2018/4/16 05:00)
経済産業省は、基礎的なIT知識を測る国家試験「ITパスポート試験」を改定・高度化する。人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)、データ分析など新領域の設問を加え、第4次産業革命に対応できる人材輩出を図る。2019年度からの試験改定を目指し、新試験に対応した習得度の指標「ITリテラシースタンダード(仮称、ITLS)」も18年度中に創設する。企業や教育現場での活用を促し、産業界全体のITリテラシー(活用力)を底上げする。
試験内容を刷新し、先端のIT知識を問う内容にする。例えばAIならば、機械学習やディープラーニング(深層学習)といったさまざまな技術の分類や原理を盛り込み、用途に合わせて最適なAI技術を選ぶなど、ユーザーとしての素養を育む。
AIなど第4次産業革命関連の技術は、進化に伴い用途が広がっているが、ユーザー育成が遅れ普及を阻んでいる面もある。試験改定とITLSの創設は、こうした課題の解消が目的だ。
ITLSは新ITパスポート試験に対応した1級と、初歩レベルの2級を用意する計画。既に運用しているITスキル・スタンダード(ITSS)はIT業界関係者向けの指標で、ITLSは一般社会人向けとして区別する。
ITパスポート試験は09年に始まった国家試験で現在、年7万―8万人程度が受験している。先端の技術動向を取り込むことで実用性を高め、さらなる利用拡大にもつなげる。
(2018/4/16 05:00)