- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2018/4/23 05:00)
10分更新の精密世界地図を作る−。九州大学発の宇宙ベンチャーであるQPS研究所(福岡市中央区、大西俊輔社長、092・751・3446)は、2024年にも100キログラムの小型衛星36機を地球周回軌道上に打ち上げ、地球上の特定地域を10分間隔で定点観測するシステムの構築を目指している。合成開口レーダー(SAR)を使い、カメラでは難しい夜間や悪天候でも24時間体制で観測できる。市來(いちき)敏光最高執行責任者(COO)は「プラントやダムの管理、建築物の歪みによる事前予測などの用途に使えるのではないか」と期待する。
19年前半に初号機を打ち上げる予定。高度500キロ―600キロメートルの円軌道に投入する。空間解像度は1メートル。
大型衛星に比べ、1機当たりのコストを100分の1程度の数億円に抑えられる。事業のメーンは画像の販売だが、東南アジアや南米などへの衛星の販売も狙う。衛星の販売価格は10億円以下を見込む。
現在、300キログラム以下のレーダー衛星は国内に存在しない。レーダー衛星は電力を多く使うこともあり小型化に向いていないとされていた。
同社のSAR衛星の特徴は展開時に直径3・6メートルに及ぶ大きな円形のアンテナとその強靱(きょうじん)さにある。大西社長は「アンテナ展開時の骨組みの方向を工夫し、折り畳みやすい構造にした。一方、バネ材同士の間に別の金属材料を挟み、柔軟性と強さを両立したアンテナを作れた」と強調する。衛星の開発や製造は北九州の中小企業が手がける。
(2018/4/23 05:00)
科学技術・大学のニュース一覧
- 三井造、独社と提携 メタンハイドレート回収技術を確立(17/06/06)
- NEC、新型FPGAチップ−面積半分で動作速度3.8倍、ナノブリッジ技術応用(17/06/06)
- 国立大新学長に聞く(3)静岡大学学長・石井潔氏(17/06/06)
- 4300度Cの惑星、東大など国際チームが発見 観測史上で最高温(17/06/06)
- 房総沖にレアメタル層−海洋機構など、海底1500―5500mで確認(17/06/06)
- 京大など、燃料デブリの危険警告 廃炉技術実証−19日にも研究炉再稼働(17/06/06)
- AIで災害情報分析へ−慶大など、共同研究組織設立(17/06/06)
- 近畿大、京大と12・13日に原子炉運転実習(17/06/06)