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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/6/22 17:30)
ドイツのダイムラーは20日、今年の利益見通しを下方修正した。米国製自動車に対する中国の報復関税で中国販売台数が下振れすると説明した。米中貿易摩擦激化を理由に業績予想を引き下げたのは、主要企業の中で同社が初めて。
21日のフランクフルト市場では、ダイムラー株価が今年4月以来の大幅安に沈んだ。同社は前日遅く、通期のEBIT(利払い・税引き前利益)が2017年の水準をやや下回る見通しだと発表した。中国で販売されるスポーツタイプ多目的車(SUV)の多くは米アラバマ工場で生産しているため、トランプ米大統領の関税措置に対して中国が発表した報復関税が適用される。
全面的な貿易戦争に発展する可能性が高まる中で、この影響を免れる業種はほとんどなく、ダイムラー同様に見通しの下方修正を迫られる企業が続くだろうと、CLSAジャパンのストラテジスト、ニコラス・スミス氏は予想した。米ビール会社ミラークアーズは先週、アルミニウムに対する輸入関税で最終利益が4000万ドル下押しされる可能性があると明らかにした。
ダイムラーの競合他社は見直しを急がない様子で、業績予想の修正は時期尚早かもしれないと示唆するアナリストもいる。フォルクスワーゲン広報は、通期の利益予想は変えていないと述べた。BMWは展開を見守っているが、今のところ見通しに変化はないと説明した。
ダイムラーは昨年、米国製SUVを中国に10万台余り輸出していた。(ブルームバーグ)
(2018/6/22 17:30)