(2020/2/14 05:00)
近年、公共交通機関内で感染症をうつされるリスクが高まっていると感じる。くしゃみやせきをするときに、スマートフォンから手を離さない人が多いのだ。
スマホの性能向上に伴ってサイズが大きくなり、男性でも両手でなければ持ちにくい点が影響している。片手を離して口元を手のひらで覆ってくれる人はおり、他人に迷惑をかけまいと考えてくれているのだろう。
だが同じ手でつり革などに触るとウイルスが付着する恐れもある。厚生労働省はマスクやティッシュ・ハンカチ、衣服の袖を使って口や鼻を押さえることを呼びかける。
そのマスクは目下、ドラッグストアなどの小売店で品薄が続く。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されており、手元に数を確保したい消費者の心情も理解はできる。ただ厚労省は、せきやくしゃみなどの症状がある人がマスクをつけることを推奨する一方、予防目的の屋外での着用はあまり効果がないとしている。
政府はマスク生産の設備投資や輸入を支援する緊急対策を打ち出した。折しも花粉症に悩む人が増える季節。本当に必要なマスクの枚数はどれだけか。正しい公衆衛生の知識と、賢い消費者としての行動で、特別な今年の春を乗り切りたい。
(2020/2/14 05:00)