(2020/5/20 05:00)
知人が母親のPCR検査に付き添った。息苦しくて夜眠れないと聞くと、高齢でもあり新型コロナウイルス感染を疑った。
近所の総合病院を受診すると、平熱を理由に「検査は不要」と診断されたが、不安は募るばかり。すぐに検査できる救急診療所が車で1時間のところにあるとネットで知り連絡する。「平熱でも陽性患者はいます。早く来てください」との返答に救われたという。
診療所は検査を待つ人であふれていた。問診後、検査は通気の良い屋外で行われ、65歳以上は胸部のコンピューター断層撮影(CT)検査も受ける。蒸し暑い中、防護服姿で奔走する医療従事者には頭が下がる思いがしたそうだ。
診療所までの交通手段はマイカーか自転車が条件。知人はマイカーの窓を全開にし、親子でマスクと雨がっぱ、手袋とできる限りの装備で向かった。幸い結果は陰性で済んだが、検査にたどり着くまでの「距離」を実感した。
緊急事態宣言の緩和には陽性率が一つの重要な指標で、そのためには検査数の増加が不可欠だ。第二波の流行に備えて、機器や試薬を整え、病床を確保する。その前に、車を持たない人はどうやって検査場まで行けばいいのか。まだまだ課題は山積している。
(2020/5/20 05:00)