産業春秋／“３密回避”のクリスマス

「サンタクロースは新型コロナウイルスに免疫があります」―。世界保健機関（ＷＨＯ）の専門家がそんなメッセージを発信したという。クリスマスが日本以上に身近な欧米で、子どもたちの心配に答えたものだ。

今年の日本の歳末は、自粛ムードで人出も少なめ。例年の緑と赤の街頭の飾りも、心なしか元気がないようにみえる。会社員向けの忘年会や年末パーティーの機会は激減した。

若い世代は近年、正月は帰省して家族と過ごすので、代わりにクリスマスはカップルや仲間で楽しもうという風潮が定着してきたと思う。それもコロナで一変させられそう。政府コロナ分科会の尾身茂会長は科学的根拠は不明確としつつ「会食が感染の大きな原因」と訴えている。

幸い、持ち帰り食材の種類はずいぶん増えた。きょうは早めに仕事を切り上げ、家庭で小さなパーティーを開いたり通信回線で友人知人と結んだりして“３密回避の聖夜”を過ごそう。それが感染対策の上でもベストだ。

サンタのプレゼントには間に合わなかったが、ワクチン量産は始まっている。子どもたちや高齢者、そして何より最前線で戦う医療関係の方々に、一刻も早く届くように、星に祈りをささげたい。