(2022/2/3 05:00)
リーダーシップは言葉を伴う。それが時に物議を醸しても、物事の本質や人間の心の奥底をあぶり出すからこそ、強烈な印象として心に焼き付けられる。政治家・石原慎太郎さんは、常に作家であった。
東日本大震災直後の「日本人の我欲を津波で流せ」や「天罰」発言は不謹慎だと批判を浴びた。だが東京都知事として、福島原発へのハイパーレスキュー隊の派遣や震災がれきの受け入れを陣頭指揮し、復興に貢献した顔も併せ持つ。
震災から1年後、あらためて問うてみた。「我欲は洗い流されましたか」。間髪入れず返ってきた答えは「全然」。むしろ「日本人はいつから『自分さえ、今さえよければ』と考えるようになったのか」と憤っていた。
主語は常に「日本は」「日本人は」だった。そして憤りの矛先は社会のありようにとどまらず、先送りを続ける財政再建や安全保障など多方面に向けられていた。
あれから10年。日本を取り巻く世界情勢は一層複雑化し、経済政策を安全保障の観点から捉え直す必要にさえ迫られている。石原さんの持論である防衛力増強には賛否あるにせよ「他力本願に甘んじていていいのか」との問題意識は今なお私たちに向けられている。
(2022/2/3 05:00)
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