地域デジタルものづくりセミナー 主催:日刊工業新聞社

開催エリア一覧 信州エリア 山口エリア 埼玉エリア 東大阪エリア 京浜エリア 八王子エリア 名古屋エリア 静岡エリア
デジタルものづくりセミナー2010in信州

開催報告

ARECプラザ主催、日刊工業新聞社共催の3次元CADの活用事例を紹介した「デジタルものづくりセミナー2010in信州」が6月9日、上田市の信州大学繊維学部キャンパスで県内企業を中心に200名の方々の参加の下、開催された。午前は「3次元デジタルものづくりによる経営革新」というテーマでデジタルものづくりを利用した革新的経営事例を中心に講演を行い、午後は「進化するデジタルものづくりがもたらす設計力と現場力の融合」というテーマのもと、いくつかの事例を元に、3D単独図や設計検証、公差解析など、今後の設計現場力向上にむけたケーススタディを紹介した。

デジタルものづくりセミナー2010in信州 アンケート結果 ≫
ご協力ありがとうございました

 デジタルものづくりセミナー2010in信州 開催概要
日 時 2010年6月9日(水)
午前の部:10:00〜12:00(受付9:30)  午後の部: 13:00〜18:00(受付12:30)
懇親会:18:15〜19:30
場 所 信州大学繊維学部総合研究棟7Fセミナールーム (ARECプラザ隣接)
主 催 ARECプラザ(浅間リサーチエクステンションセンター)
共 催 日刊工業新聞社
後 援 関東経済産業局、長野県、長野市・長野商工会議所、上田市・上田商工会議所、松本市・松本商工会議所、千曲市・千曲商工会議所、佐久市・佐久商工会議所、塩尻市・塩尻商工会議所、伊那市・伊那商工会議所
対 象 製造業の経営者・部課長級及び推進リーダ以上、学生など
定 員 100名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫(PDF 1.2MB)
 デジタルものづくりセミナー2010in信州 ダイジェスト

午前の部:

経営者・推進者を対象としたデジタルものづくり経営講演
テーマ「3次元デジタルものづくりによる経営革新」

 【主催者挨拶】
 ARECセンター長 信州大学 名誉教授、信州短期大学 学長 白井汪芳氏

技術者の抱える課題を解決するデジタルエンジニアリング

 日本の製造業は、新興国の台頭などによる厳しい市場競争のなかで勝ち残りを目指し、徹底したコスト削減に取り組んでいます。製品設計に携わる技術者は、多様化する顧客のニーズに耳を傾けながら、品質の向上、製品を市場に出す時間短縮、コスト削減、など多くの課題を克服しなければなりません。このような課題を解決するうえで、最近とくに注目されているのが、3次元データを中核とするデジタルエンジニアリングです。
 本セミナーは、デジタルものづくりの最先端の動向について、3次元CADを活用した製品設計の事例やポイント、経営革新につながった事例を中心に、現場の最前線に活躍されている方々にご講演いただきます。明日からの企業活動に活用され業績の一層の向上につながることを願ってやみません。

 【来賓ご挨拶】
 経済産業省関東経済産業局 地域経済部次長 太細敏夫氏

2次産業から、3次元を活用する2.5次産業への発展を

 今年中にはGDPが中国に抜かれるのが確実な現在、世界における日本の位置づけがかなり落ちています。
 スイスの研究所による国際競争力の調査結果によれば、1990年ごろの日本は1位や2位でしたが、今年は27位になり、随分抜かれたと実感せざるを得ません。リーマン・ショック以後、自動車の売上がドンと落ちて経済全体が麻痺。自動車・電機に依存する輸出産業の「一本足構造」を何とか変えていかなければなりません。そのため、経済産業省は6月に発表した「産業構造ビジョン」で、環境・エネルギー、インフラ関連産業、介護・健康福祉、文化産業立国、ロボットなどの先端産業の5分野を重点産業として提案しています。
 その一方で、日本経済の基盤をつくってきた自動車産業を中心とする製造業は、新興国の追い上げのなかでかなり厳しい状況にあります。製造業は従来の2次産業ではなく、3次元を活用した2.5次産業として発展していかないと、これまで得意としてきた高度部材・高付加価値製品を守っていけず、供給基地としての地位も維持できません。
 そうしたこともあり、デジタルものづくりの取り組みを加速し、最先端の技術を一層、維持・発展していただくことを期待しています。

株式会社IHIシバウラにおけるデジタルものづくりを利用した経営革新事例のご紹介

講師:

株式会社IHIシバウラ 理事 技術開発センター センター長  高橋浩 氏

◆徹底したIT化で設計開発を改革

 農業機械、エンジン関連、環境・電子制御装置などを開発・生産するIHIシバウラは2003年、デジタルものづくりによる設計開発の改革に着手した。改革の背景にあったものは、希薄になった技術者相互の連携協力、クレーム処理などで手戻りが発生し技術開発に手が回らない設計者負担の軽減、など5つの革新。目指したことは、フロントローディングとコンカレント・エンジニアリングの実行、開発に関する情報の蓄積・一元化・見える化の実現、などであった。
 フロントローディングとコンカレント・エンジニアリングについて、技術開発センター長の高橋浩氏は「フロントローディングで早期に検討を実施し、設計の上流で完成度を高めないと、コンカレント・エンジニアリングは見切り発車になり失敗します」と強調した。
 ここで重要になるのが工程間の情報共有で、大切な役割を果たすのが3次元CADである。SolidWorksを導入し、設計ミスの削減や3次元データの型製作への有効活用などを実現した。
 フロントローディングの要となる設計段階の検討も、設計者向けCAEとしてDesignSpaceを導入。それまで専用モデルを作成し社内の専門家が行っていた解析が、3次元データを流用すれば設計者でもできるようになり、解析の利用度が飛躍的に向上した。トラクタの強度解析や消防ポンプに内圧を加えた際の構造解析などに応用され、開発にかかる工数や期間が従来の約3分の1に短縮された例もあると報告された。
さらに高橋氏は、PDMも導入し、ナレッジの蓄積や文書の作成・配布コストの削減などで成果をあげたことも付け加えた。

◆デジタルものづくりで「考える設計」を実現

 デジタルものづくりを推進したことで、同社は新製品の素早い投入と品質の確保を両立や、技術者の連携体制の確立、などの成果をあげた。また、付帯価値として、製品開発力向上、異業種技術の融合、コミュニケーション表現活用を言及した。しかし高橋氏は、最大の成果に「考える設計の実現」をあげる。集めたデータの有効利用を考える時間が増えたというのだ。
 「日本の製造業は、最先端にいなければならないと思っています。デジタルものづくりによって、私たちも日本の製造業として存続する希望が持てるようになりました」と語る高橋氏。今後の課題として、3次元データを製造部門でも本格的に活用すること、などをあげ、「IT化をさらに推進し“強い経営”を実現したい」と力強く締めくくった。

進化するものづくり事例
―高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス!―

講師:

株式会社入曽精密 代表取締役  斉藤清和 氏

◆高度な工作がもたらしたデザイナーや異業種との出会いと新ビジネスの数々

 精密切削加工を得意とする入曽精密。これまで同社は、加工プロセスに切削加工のノウハウを入れてデジタルでつくり込み、ネットワークでつないだマシニングセンタで出力(=切削加工)する「MC造形システム」で、アルミのバラや世界最小のサイコロ、奈良・新薬師寺の国宝「伐折羅(バサラ)大将像」を制作し、技術の高度化に努めたことで、国内トップ級のデジタル匠の中小企業として、各種表彰を受賞している。。
 これらの評判から、最近では、「機動戦士ガンダム」のデザインで知られる大河原邦男氏が制作した作品をスキャナで読み込んでつくったフィギュアの発売や、ハーレー・ダビッドソン用のエアクリーナの開発、原型に忠実なルアーの量産技術の開発、といったそれまで接点がなかったデザイナーや異業種との出会いから新たなビジネスが芽生えた。昨年のリーマンショックで自動車関連からの仕事が激減した時に、社員のアイデアを具現化し、ヒット商品を次々に生み出している。

◆工作機械の新たな活用領域を開拓し、感性を表現したものづくりを指向

 さらに同社は、MC造形システムで3次元スキャナなどを活用したリバース・エンジニアリングを実行している。代表取締役の齋藤清和氏は「工作機械は図面データを入力すればコピー機と同じです。現在のように変化が求められる時代に工作を見直し、3次元スキャナやCGソフトを使えば、ネットワーク時代の新しいビジネスの芽が生まれます」と言う。
 バサラ大将像の制作も、3次元スキャナで実物のSTLデータを作成し、そのデータをCAMに適したサーフェスデータに変換して切削加工した。その印象は本物に近いだけなく、世界最小0.3mm角のサイコロをつくったような微細切削加工技術で造形に深みを与えている。
 同じようなことがルアーにも言える。プロが「魚が釣れる」とお墨付きを与えたルアーの原型のSTLデータを基に、従来製法より変形率を10分の1に抑えた新製法を確立した。
 「自社の技術と外の世界の融合を図っても成功する確証はありませんが、挑戦を恐れずにやらないと何も生まれないと思っています」と齋藤氏はエールを送る。
 CAD/CAMの活用で実現する高度な工作の、さらに上のレベル目指すために、3次元スキャナなどを積極的に活用している同社は、工作機械の新たな活用領域を開拓し、図面には表れない感性を表現したものづくりを海外と共同研究で指向し始めた。中小企業がビジネスチャンスを掴むためには、自社技術を見極め、外の世界へ一歩踏み出すこと、そして外との技術や人材交流が革新的技術や製品開発の発想の変革を誕みだしてくれる。その「人の利、地の利、時の利」の変化を感じ、「情報」から次の一手を創造することがデジタルもにづくりの醍醐味であり、付加価値であるという。今後は医療分野や芸術分野での活用も模索し、「ネットワーク社会の現在、世界に向けて売っていきたい」と今後の抱負を語った。

午後の部:

推進者を対象としたデジタルものづくり最新動向講演
テーマ「進化するデジタルものづくりがもたらす設計力と現場力の融合」

JAMA/JAPIAの3D図面標準化活動総括と実施事例

講師:

株式会社本田技術研究所 CIS3ブロック 主任研究員  永井昭良 氏

◆業務効率の向上と品質の向上を可能にする3D単独図

 日本自動車工業会(JAMA)は現在、3次元主体のソリューションの標準化に取り組んでいる。なかでもJAMAが着目しているのは、3D単独図の標準化だ。
 3D単独図は3D図に設計・生産・製造に関するすべての情報を集約し3次元化したもの。注記が形状と連動しており、解読・加工を自動化することによって作業標準などが簡単にできる。工程シミュレーションの実施や実車に近い形での検証も可能になり、業務効率と品質の向上が期待される。
 本田技術研究所の永井昭良氏は、「情報は3次元になってきましたが、流通させる媒体は紙の図面(2D図)を使っているため、設計と現場との連携では、かなり効率が落ちています。こうした理由から3D単独図の標準化に着目しました」と説明する。

◆作図工数を半減するも、改善の必要性はまだある

 3D単独図標準化のロードマップは、基盤の標準化(フェーズ1)から始め、規定の制定、CADやビューワの機能要求と実装検証を実行。主要自動車メーカーがある国の業界団体が参加する会議体“SASIG”をベースに、関係するメーカーやサプライヤーが集まりながら、CADベンダーとビューワベンダーとの連携を図ってきた。
 CAD、ビューワともに、ベンダーに対し標準機能と効率向上機能を明確に示し、実装状況を評価。「CADはまだ機能の充実が必要ですが、ビューワについてはユーザーの使い方次第という状況まできました」と、永井氏は現状を説明する。
 しかしそれでも、本田では設計者の作図工数が、3D図と2D図の併用に比べて50%削減、という成果をあげたという。
 「われわれの活動で、自動車開発システムの基盤が構築できたと考えています。まだツールには改善が必要ですが、ベンダーとの連携を図りながら、フェーズ2で開発を進めていく計画です。そして普及のためには、従来から3D図を活用してきた金型メーカーや治具メーカー以外にもメリットを感じてもらえることが不可欠」,永井氏は現状をこう総括した。

3次元設計再考:デジタルものづくり新潮流が3次元化を加速する5つの理由

講師:

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長  金谷道雄 氏

◆3次元 CADで開発環境を整える

開発を前倒しするフロントローディングを推進するうえでデジタルものづくりは不可欠だが、マーケティング部の金谷道雄氏は、デジタルものづくりには新たな潮流が5つあると明言する。
 第1は、「設計の醍醐味を増す操作感」。フィーチャーを意識しなくても簡単に設計の変更や追加、ダイレクトなモデリングができるようになった。エラーの発生原因や解決方法をある程度示してくれるようにもなり、インテリジェント化が進んでいる。
 第2は、「設計要件:設計力向上のための設計検証/環境設計の推進」。SolidWorksをはじめ多くの3次元CADでは、線形静解析や機構解析など設計者が最低限実施すべき検証がCADと一体型でできるようになり、設計者は設計要件を検証しながらモデリングを進めることができる。
 第3は、「生産要件:手戻り、歩留まり等の予測と設計者負荷削減の施策」。通常は設計要件を検証した後は図面作成で、現場とのコミュニケーションをとるのが現在のプロセスだ。しかし、そこには、図面の公差が影響するばらつきや歩留まり、また加工での問題等から手戻りなどが発生してしまう。このような生産要件を設計で検証することができれば、少なからず、現場とのコミュニケーションや手戻りがもたらす緊急対応での設計者負荷を削減できる。SolidWorksでは、3D単独図の活用として、公差解析、加工性検証へ応用し、モデリングや公差定義での問題を事前に指摘してから、最終的な3D単独図や2D図を作成することができるため、大幅な手戻りの防止できる。金谷氏は、「現場サイドで起こりそうな問題、設計者のモデリングミスで起こりそうな問題は事前に確認する必要がある」と強調する。
 第4は、「仮想試作:エレメカ・制御連携がもたらすプロセス革新」。制御ソフトの検証やエレメカ制御一体の試作がCAD上でできるツールがパートナーから提供されるきた。これにより、今までは実機でしか制御試験ができなく、短期間で検査をしていたために品質問題の多くが制御プログラムにあったと報告されている。最先端技術では、仮想試作で、 3次元CADとECAD、制御の三位一体の検証を可能とし、大幅なコスト削減や品質安定化を実現できるようになってきている。
 そして第5は、「デジタルものづくり・コミュニケーションの進化と将来」。3D単独図が読み込めるビューワやレンダリングツール、さらには卓上サイズの3DスキャナやRP(ラピッド・プロトタイピング)フルカラーRPなど、手軽にスキャンして3次元CADで編集をしてフルカラーRPで処理する一連のプロセスが確立されてきており、プロダクトデザイナーやコンシューマ開発などで効率的なコミュニケーションができるようになった。
 金谷氏は、「日本の製造業が生き残る道に、ハイテクへの感性の織り込みがあります。スピード、コスト、品質に加えて、安全・安心、環境・調和、感性・共創を配慮した消費者視点でのグローバルものづくりを3次元CADを使って開発環境を整えることがポイントです」と訴えた。

品質確保のための3次元公差・信頼性検証

講師:

株式会社プラーナー 代表取締役  栗山弘 氏

◆公差設計と幾何公差で世界に通用するグローバル設計を

 製品の機能を満たすべく部品の公差を一つずつ決めていく公差設計。代表取締役の栗山弘氏は「公差設計のPDCA」を提唱している。公差を計算して設定し(P:計画)、正しく表現して伝達する(D:実行)。そして実行した結果をチェックし(C:点検)、結果に基づいて見直す(A:処置)というものだ。「つねにチェックをした段階で、『ああ、よかったな』で終わり、次はもっと限界に挑戦するPDCAサイクルを回したい」と、栗山氏は公差設計への熱い思いを語る。
 しかし、公差設計はなかなか実施されていないのが現実だ。プラーナーの公差設計セミナーに参加した約1500名にアンケート調査した結果、約8割が「公差設計をやっていない」と回答。幾何公差についても同様の結果で、工程能力指数のCpとCpkも9割が「知らない」と回答している。栗山氏は「公差は品質とコストを決めるもの。公差設計を実施して適正な公差値を決め、その上で正しい幾何公差を用いて表記することは設計者の当然の業務です」と強く訴える。
 設計者自らが扱うようになったCADやCAEと異なり、公差解析は専任者すらほとんどいない状況だが、その一方で、幾何公差がないと成立しない3D単独図の活用が推進されている。公差設計・解析を設計者が確実に実行することがますます要求されるようになった状況のなか、“TolAnalyst”や“DimXpert”のような3次元CADに搭載される公差解析ソフトや幾何公差表記ソフトが登場し、環境が徐々に整いつつある。「公差設計と幾何公差にフォーカスして、世界に通用するグローバル設計をしましょう。確固たる設計力を持ち夢のある商品を次々と開発できる設計者が増える体制を、われわれが構築していければと思っています」と、栗山氏は今後の決意を示し、参加者にエールを送った。

エレメカ制御開発を実機レスで実現する仮想メカトロニクス・シミュレータ

講師:

株式会社インターデザイン・テクノロジー バーチャルメカトロニクス事業部 事業部長  本橋聖一 氏

◆実機に依存したソフト開発からの脱却を実現する“Vmech”

 インターデザイン・テクノロジーが開発した“Vmech”を利用すると、ソフト開発で3Dデータを有効活用することができる。
 Vmechは3D CADの形状データを使って仮想のメカをつくり、実機を使わずに制御ソフトを試験・検証するシミュレータ。実機試験を短縮するだけでなく、故障などの各種条件を設定した検証もできるため品質向上も期待できる。バーチャルメカトロニクス事業部の本橋聖一事業部長は、「ソフト開発でのシミュレーション技術やシミュレータの活用が、ようやく認知されてきました」と説明する。
 本橋氏からは、Vmechの活用したアスリートFAと東芝の2社の事例も紹介された。
 アスリートFAはメカ制御のコンカレント・エンジニアリングの実現、実機レスによる基本デバッグ開発効率の向上、などを目的にVmechを導入。40かかるデバッグ作業のうち75%が実機レスでできるようになるなどの効果を出した。東芝は特殊な生産設備を開発する生産技術センターで導入。実機レスでのデバッグ率は導入当初は20〜80%と大きなバラツキが見られたが、現在は平均して70%は実機レスでデバッグできるようになった。
 「ものづくりの環境が変わっていくなかで、メカやソフトの開発拠点は国外を含めて分散化していきます。組み込みのソフト開発ではデジタルツールを活用した開発は遅れていますが、実機に依存せず3次元データを使ったシミュレーションによるソフト開発、という新たな手法を考慮いただければと思います」と投げかける本橋氏。開発の効率化が確実に図れるこの新手法は、デジタルものづくりの可能性をさらに広げるインパクトをもたらした。

中小企業が挑む自社製品開発秘話

講師:

有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役  飯田吉秋 氏

◆デザインはビジネス。儲けなければ何にもならない

 アイ・シー・アイデザイン研究所は、商品企画から製品デザイン、設計、製造支援、CADデータ作成など、ものづくり企業を広範にわたって支援するデザイン事務所だが、その一方で自社商品の開発・販売も手掛けている。自社商品とは、倒しても振ってもこぼれないシリコンキャップ「Kissシリーズ」や、ひっくり返すと形が変わるシリコーン知育玩具「nocilis(英語名を逆から読むとシリコンとなり、機能を商品名で表現したもの)」だ。
 自社商品の開発・販売は、「デザインしても売れなければ何にもならない」や「デザインした通りにものができない」というデザイナーの意見を覆すために取り組んだことだった。「問題なのは、デザイナーにはまだ見える化、ものをきちんと見せるという行為が足りないこと。だから常々、『デザイナーは3次元CADを使わなければならない』と言ってきました」とは代表取締役の飯田吉秋氏。その上で、「デザインはビジネス。儲けなければ何にもならない」と強調した。

◆5つのミカタから問題点を探し、「なぜ、いままで開発されなかったのか」を考える

 飯田氏は売れる商品を開発する要諦として、「人間が日常生活を営むうえで満ち足りない状況を、『見』『観』『視』『看』『診』という5つのミカタから情報として捉え、そこから問題点を探す。ものづくりは、この5つのミカタのなかで情報を持っていないといけない。そして、『なぜ、いままで開発されなかったのか』を考えることが大事だ」と主張する。Kissシリーズやnocilisの開発の原点は日常生活での問題点解消にあった。kissシリーズは、脳梗塞のリハビリに励む飯田氏の父親に手の不自由さを気にせず飲み物を飲んでほしいと願ったこと、nocilisは、飯田氏が孫のために隣家に迷惑をかけず静かに遊べる玩具をつくりたい、と思ったことから始まった。
 5つのミカタから問題点を捉え、独創的な商品を開発する。ただ、売れる商品にするには、広報や販促、流通、価格設定、といった売れる仕組みのデザインが欠かせない。
 そして、デザイナーの創造性を助けるものとして3次元CADがある。飯田氏は長年にわたり3次元CADを活用してきたが、「デザイナーのためにつくられていない」と評価。SolidWorksは唯一といってもよいほど、デザイナーの想いを自由自在に表現できるサーフェースや曲面モデリングをパラメトリックフィーチャと押さえるべき平面さえきちんと定義できれば、非常に少ないフィーチャデモデザイン的には優れたものを構築できる点はすばらしい。現在はSolidWorksを駆使して数々の消費者志向のものづくりを実践され、多くの世界的なデザイン賞や特許を取得している。今後デザイナーもデザインと工学の融合や3次元データの設計者との効率的な活用を考慮していくと、設計者以上に、シミュレーションを繰り返してデザイン品質の向上を追求すべきであると提案した。

サーボモータ設計における公差事前検証の取り組みと公差解析ツールの適用事例

講師:

山洋電気株式会社 サーボシステム事業部設計1部 主査  竹田亨 氏

◆真のフロントローディングを実現する公差設計

 サーボモータ、ステッピングモータ、サーボドライバ・コントローラ、冷却ファン、無停電電源装置、太陽光発電システム用パワーコンディショナを開発・製造・販売する山洋電気では、サーボモータの設計に公差解析ツールを適用し、公差の事前検証に取り組んでいる。
 同社では開発設計段階からコストと品質を作り込むフロントローディング型の開発体制の構築を進めており、サーボシステム事業部設計1部の竹田亨氏は、「公差設計こそ真のフロントローディング」と強調する。初期設計の段階で公差設計をしっかり行うことで、製品品質の確保とコストダウンを高いレベルで達成することが可能になる。逆に公差設計を行わない場合、製品に求められる性能を満足できないばかりでなく、不具合の種が見過ごされる可能性がある。

◆公差は競争力・ブランド力の源泉と確信

 しかし、公差設計には難所がある。それは、手間がかかる、公差計算書と図面がリンクせずナレッジとして残すのが難しい、PDCAサイクルが回らない、というものだ。こうした難所を同社は、IT化することで克服した。公差解析ツールを活用し、3次元CAD上で公差設計・解析を行うようにしたのである。
 ただし、公差設計に関する理論もおろそかにはしていない。たとえば、出力軸(シャフト)と取り付け基準部の同軸度を求める公差解析では、傾きとガタを理論的に考慮する必要があり、公差解析ツールが出力する結果をそのまま鵜呑みにすると誤差が大きくなってしまう。同社は、公差設計に関するすべての理論を理解・実践した上で、IT化するというステップを踏んだ。
 公差解析ツールを使いこなせるようになるまでの苦労は大きかったが、ツールを使うことにより解析は楽になり、その結果を資産として蓄積することも可能になった。現在は公差解析の文化を社内に根付かせ、PDCAサイクルを確実に回すしくみづくりに取り組んでいる。
 さらに、単に公差解析を行うだけでなく、モータ駆動時の発熱による変形量をシミュレーションで求め、その形状で公差解析を行うといったITツールの連携に挑戦し、より高い信頼性と品質の作り込みにチャレンジしている。
 「公差は会社の戦略であり、競争力・ブランド力の源泉だと確信しました。公差設計を身につけるには具体例で実践あるのみ。泥臭い具体論を展開しながらPDCAサイクルを回し、設計者の熱き想いのこもった魅力ある製品を開発したい」と竹田氏は力強く語った。

県内の製造業を中心に約200人が参加し、経営革新や設計力強化などにつながる「3次元データを中核としたデジタルエンジニアリング」を活用した経営事例や先進事例が数多く紹介され、終日のセミナーでありながら最後まで多くの方が真剣に耳を傾け、その後行われた懇親会では、参加者と講師の間で活発な意見交換が行われていた。今後は7月後半から9月初めにかけ、埼玉、東大阪、京浜エリアでも開催の予定で、参考に信州エリアの来場者アンケートのまとめを以下の通り紹介する。

デジタルものづくりセミナー2010in山口

開催報告

「デジタルものづくりセミナー2010in山口」は、山口県内の中小企業を中心に80名を越える参加があった。講演では、山口大学大学院の上西研教授が「コストを低く抑えるには概念設計の段階に設計変更のヤマを持ってくること。ここにCAEを徹底的に使ってほしい。トップダウンで動ける中小企業の方がやりやすい」と、CAEを活用する重要性を指摘。また入曽精密(埼玉県入間市)の斎藤清和社長は「デジタル化になっても職人の心がいきいきしていないと良いものは作れない」と、自社で実践している感性に訴えるモノづくりを紹介した。各講演とも活発な質疑応答があり、全体終了時間を15分遅らせることになった。

デジタルものづくりセミナー2010in山口 アンケート結果 ≫
ご協力ありがとうございました

 デジタルものづくりセミナー2010in山口 開催概要
日 時 2010年7月7日(水)
午前の部:10:00〜11:35(受付9:30) 午後の部:12:30〜16:00(受付12:00)
場 所 セントコア山口2F大会議室サファイア(山口市湯田温泉3−2−7)
主 催 財団法人やまぐち産業振興財団
共 催 日刊工業新聞社
後 援 中国経済産業局、山口県、地方独立行政法人山口県産業技術センター、国立大学法人山口大学MOT
対 象 製造業の経営者・部課長級及び推進リーダ以上、学生など
定 員 100名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫(PDF 845KB)
 デジタルものづくりセミナー2010in山口 プログラム

午前の部:

経営者・推進者を対象としたデジタルものづくり経営講演
テーマ「3次元デジタルものづくりによる経営革新」

10:00-10:05
 主催者挨拶

 財団法人 やまぐち産業振興財団 副理事長  伊藤通雄

10:05-10:50

中小企業の価値創造が企業発展への道〜多品種少ロット製造と職人技との融合

三松は、お客様のどんな「わがまま」にもお応えするをモットーに、3 次元データを生産プロセス全体に活用し、多品種少ロット製造に職人技の付加価値を融合した効率的な多品種少量生産を可能にする「小ロット製造代行サービス」を実現。臨機応変かつ幅広い製造ニーズに対応していくなかで新たなビジネス活路を開拓し、今やデザインやデジタルものづくりの世界へも進出!
活動の場を日本全国に広げようとしている。

講師:

株式会社三松 常務取締役  田名部徹朗 氏

株式会社三松 常務取締役 田名部徹朗氏

【経  歴】

1987年 3月 早稲田大学政治経済学部卒
1987年 4月 三菱重工業鞄社
1989年12月 シティバンクN.A.入社
1996年12月 当社入社
2000年 9月 当社常務取締役就任 (現任)
2010年 7月 当社代表取締役就任予定

10:50-11:35

「匠の技とデジタル技術」の融合によるものづくり経営

今西製作所は、1921年鋳造用木型製作で創業して以来、型の3次元形状加工技術を基軸に、各種鋳造品、鋳造用金型、試作用プレス金型、樹脂成形用金型、車体組立用溶接治具・装置の設計製作へと事業を展開してきた。特徴は、長年の型技術、素材技術の蓄積である「匠の技」と最新のコンピュータ支援による「デジタル技術」を融合させ、独自のノウハウを持って各種金型や生産設備を設計製作からトライアルまでスピーディーに一貫生産できるところである。当社のものづくり経営について事例を紹介する。2008年度元気なモノづくり中小企業300社受賞。2009年度ものづくり日本大賞中国経済産業局長賞受賞。

講師:

株式会社今西製作所 代表取締役社長  今西寛文 氏

株式会社今西製作所 今西寛文氏

【経  歴】

1988年(昭和63年)10月 Windsor大学大学院 Industrial Engineering 博士課程修了Ph.D.
1988年(昭和63年)12月 株式会社今西製作所 入社
1990年(平成2年)6月 同 上    取締役
1992年(平成4年)6月 同 上    常務取締役
1996年(平成8年)6月 同 上    取締役副社長
2001年(平成13年)6月 同 上    代表取締役社長
現在に至る

11:35-12:30 昼休み

午後の部:

推進者を対象としたデジタルものづくり最新動向講演
テーマ「進化するデジタルものづくりがもたらす設計力と現場力の融合」

12:30-13:15

「進化するものづくり事例」
―高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス!―

ものづくりの様式が、ここ数十年の間に、大きく変貌を遂げています。その根底にあるのは、情報の技術革新による高度化。それが、現場のものづくりに、今、どんな変化を与えているのか?入曽精密の作品群を通して説明いたします。

講師:

株式会社入曽精密 代表取締役  斉藤清和 氏

株式会社入曽精密・代表取締役 斉藤清和氏

【経  歴】

1958年9月9日
1977年 県立川越高等学校 卒  建設会社を経て
1983年 入曽精密入社
2000年 副社長就任
2002年 社長就任

13:15-13:45

3次元設計再考:デジタルものづくり新潮流が3次元化を加速する5つの理由

3次元デジタルものづくり新潮流が日本のものづくりが直面している課題を解決!〜設計要件のみならず生産・製造・環境要件を事前配慮した設計及び検証とは、進化するメカトロ制御設計の仮想プロト検証、そして業界が推進する3D単独図の応用展開などの概論を説明し、以降に続く各論のつながりをわかりやすく解説します。

講師:

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長  金谷道雄 氏

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長 金谷道雄氏

【経  歴】

1983年3月 筑波大学第三学群情報学類卒業
1983年4月 第二精工舎(現セイコーインスツル、以下SII)入社、当時総代理店契約を締結したUnigraphics事業の技術・マーケティングに従事
1997年5月 SolidWorksの総代理店であったKUSCOに入社し、SolidWorksのマーケティング全般に従事。
1998年12月 ソリッドワークス・ジャパン創立にともない、KUSCOから移籍。
引き続きSolidWorksのマーケティング全般に従事。現在に至る。

13:45-14:30

品質確保のための3次元公差・信頼性検証

正しい公差設計は、製品の「品質」と「コスト」を高い次元でバランスさせるためには不可欠である。3次元CADの更なる有効活用として、3次元公差解析ソフトを用いて信頼性検証を行う企業が増えてきている。

講師:

株式会社プラーナー 代表取締役  栗山弘 氏

株式会社プラーナー 代表取締役 栗山弘氏

【経  歴】
セイコーエプソン鰍ノて25年間、開発・設計部門に勤務。
2001年に能力開発を支援するプラーナーを設立。
信州大学非常勤講師、および3次元設計能力検定協会の理事なども務める。

「日経ものづくり」の連載コラム「ベーシック公差設計」
3次元CADから学ぶ機械設計入門(森北出版) 他執筆

14:30-14:45 休憩
14:45-15:30

これからのものづくりをリードする3次元CAE

ものづくりの現場で3次元CAEが盛んに使用されるようになってきましたが、CAEの能力のごく一部しか利用できていないのが現状です。ここでは3次元CAEの絶大な力を最大限に活用する考え方と方法について解説します。

講師:

山口大学大学院技術経営研究科研究科長・教授  上西研 氏

山口大学大学院技術経営研究科研究科長・教授 上西研氏

【経  歴】
1985年から山口大学に勤務。工学部助手、講師、助教授、教授を経て2005年より現職。
2006年山口県科学技術振興奨励賞受賞。日本MOT学会理事、西日本MOTコンソーシアム代表、技術経営系専門職大学院協議会(MOT協議会)会長。専門は計算力学、破壊力学、設計工学、創造工学、研究開発戦略など。

15:30-16:00

財団法人やまぐち産業振興財団が開催する人材育成研修のご紹介

研修は、自社の価値を見いだし競争力を付け、安定した経営を図ることのできる優れた経営者を育てること、企業の技術レベルを支える優れた技術者・技能者を育てることを目的に開催します。

内容は「市場活性化」、「経営基盤構築」、「技術基盤構築」、「新分野参入」に分けて、「経営基盤構築」、「技術基盤構築」で多くの企業に共通する基本的な部分を行い、「市場活性化」で既存企業の活性化を「新分野参入」で事業拡大、多角化への取組を促している研修カリキュラムを紹介します。

講師:

財団法人やまぐち産業振興財団 取引振興部長  田村健 氏


デジタルものづくりセミナー2010inさいたま

開催報告

「デジタルものづくりセミナー2010in埼玉」は、企業の設計部門や脳科学研究の第一線で活躍する5人が登壇し、2次元から3次元への移行に伴う苦労話や、技術融合による新たな3次元CADの可能性などを披露した。最高気温が35度を超える猛暑のなか、県内外から70人を超える参加者を集めた。リンテックの近江谷伸芳氏は、「3次元CADやERPを本当に使いこなせているだろうか。ずっと同じものを使っているとマヒしてしまう」と指摘、マンネリズムに陥らないよう定期的な教育実習の必要性を強調した。日置電機の水出博司氏は3次元CAD導入時の裏話を紹介。2004年に当時の専務の指示で設計者全員に3次元CADが配布されたが、大規模装置の設計チームは「僕らは金型を作らないから2次元でいいじゃないか」と導入に消極的だった。ところが2006年に大規模装置の品質の振り返りをやったところ、「穴の位置が合わないなど問題が続出するようになった」。そこで新規設計は全て3次元で対応することになり、2010年はライセンスの追加を決定した。埼玉大学大学院教授の綿貫啓一氏は、近赤外分光法を用いて匠の技を脳科学的に解明する最新の研究成果を紹介した。この手法は近赤外光を頭部に入射して大脳表面におけるヘモグロビン量の変化を捉え、その酸素濃度から測定対象領域の脳の活動状態をリアルタイムに計測する。バーチャルリアリティ技術を用いて旋盤加工技能伝承システムを開発し、旋盤加工時の作業者を被験者に解析を試みたところ、酸素化・脱酸素化ヘモグロビン量の変化は、被験者の運動方向や作業姿勢、視覚・力覚情報に影響され、バーチャルリアリティ環境下と実環境下で作業時のヘモグロビン量の変化は定性的に一致することが確認できた。「脳科学の知見や情報技術を融合することで、技能伝承のための効果的なバーチャルトレーニングやデザイン評価などへ応用が可能になる」と、綿貫教授はCADやCAEの新たな可能性を熱っぽく語った。

デジタルものづくりセミナー2010in埼玉 アンケート結果 ≫
ご協力ありがとうございました

 デジタルものづくりセミナー2010inさいたま 開催概要
日 時 2010年7月22日(木) 13:00〜17:40(受付12:30)
場 所 新都心ビジネス交流プラザ4階(JR埼京線・北与野駅前、JR京浜東北線・さいたま新都心駅から徒歩8分)
主 催 財団法人埼玉県中小企業振興公社
共 催 日刊工業新聞社
後 援 関東経済産業局、埼玉県、さいたま市、財団法人さいたま市産業創造財団
対 象 製造業の経営者・部課長級及び推進リーダ以上、学生など
定 員 100名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫(PDF 686KB)
 デジタルものづくりセミナー2010inさいたま ダイジェスト

テーマ「3次元デジタルものづくりによる経営革新及び設計力・現場力の融合」

このセミナーでは、デジタルものづくりの最先端の動向を紹介するとともに、3 次元CAD を利用した製品設計のポイントや3 次元データの活用方法、技能伝承や教育に活かせる3 次元技術など、企業経営の革新事例を中心に紹介していただきました。

3次元CAD活用とPDM&ERPの連携

 リンテック株式会社 伊奈テクノロジーセンター 開発部副部長  近江谷伸芳 氏

競争力が厳しい時代における3DCAD活用とPDM&ERPシステムの連携による「勝つための設計力」を紹介していただきました。

3次元CADによるものづくり推進と教育

日置電機株式会社 技術本部開発部開発推進課 設計プロセスグループ 水出博司 氏

3DCAD活用方法のあるべき姿と将来展望について、新入社員指導を例にとり、分かりやすく説明していただきました。

3次元CAD/CAEによる設計・製造知識の可視化
および技術・技能伝承への活用

 埼玉大学大学院 理工学研究科 人間支援・生産科学部門 教授 綿貫啓一 氏

拡張現実感技術を用いた製品評価および技術・技能伝承など、最近のデジタルものづくり技術の動向を解説していただきました。

3次元設計再考:
デジタルものづくり新潮流が3次元化を加速する5つの理由

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部担当部長 金谷道雄 氏

進化するメカトロ制御設計の仮想プロト検証や業界が推進する3D単独図の応用展開などの概論を解説していただきました。

「進化するものづくり事例」
高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス

 株式会社入曽精密 代表取締役 斉藤清和 氏

入曽精密の作品群を通して、情報の技術革新による高度化にともなう、ものづくり現場の変化を解説していただきました。



デジタルものづくりセミナー2010in東大阪

開催報告

「デジタルものづくりセミナー2010in東大阪」では大阪府下の製造業を中心に約70人が参加した。
 セミナーでは、三洋電機デジタルシステムカンパニーDI事業部の前田幸哉担当課長が「3次元設計と同設計を応用した解析でデジタルカメラ開発の効率化に結びつけた」と、実践事例を語った。引き続いて、眼科医療機器メーカーのニデック(愛知県蒲郡市)や精密切削加工業の入曽精密(埼玉県入間市)、埼玉大学などが多様な観点から3次元データを駆使したモノづくり事例を報告した。

デジタルものづくりセミナー2010in東大阪 アンケート結果 ≫
ご協力ありがとうございました

 デジタルものづくりセミナー2010in東大阪 開催概要
日 時 2010年8月25日(水) 13:00〜18:00(受付12:30)
場 所 クリエイションコア・東大阪 技術交流室B(近鉄けいはんな線・荒本駅徒歩5分 地下鉄中央線・長田駅徒歩10分)
当施設に駐車場はありませんので、ご来場には公共交通機関をご利用ください。
主 催 東大阪市中小企業振興会
共 催 日刊工業新聞社
後 援 近畿経済産業局、大阪府、東大阪市
対 象 製造業の経営者・部課長級及び推進リーダ以上、学生など
定 員 100名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫(PDF 760KB)
 デジタルものづくりセミナー2010in東大阪 プログラム

テーマ「3次元デジタルものづくりによる経営革新及び設計力・現場力の融合」

13:00-13:10
 主催者挨拶
 東大阪市中小企業振興会 理事長 植田 泰弘
13:10-14:00

2次元から3次元設計への移行と実践、現在の3次元高密度設計について

デジタルカメラ設計部門において、2次元設計から3次元設計へ移行した際の、設計者の意識改革と、その実践と経過。
そして、現在行っている各種解析を用いた設計手法と高密度設計についての事例を紹介します。

講師:

三洋電機株式会社 デジタルシステムカンパニー DI事業部 担当課長   前田幸哉 氏

三洋電機株式会社 前田幸哉氏

【経  歴】

1989年 三洋電機株式会社入社
情報機器事業部にて複写機の機構設計に従事
1994年 CADを3次元化するに当り、3次元CAD選定委員として3次元CADの選定に携わる。
2000年 記録メディア事業部に異動後、デジタルカメラの外観設計に従事

14:10-15:00

デジタルものづくり経営革新事例の紹介:ニデック・眼科医療機器のトップメーカー

ニデックは、医療機器に求められる高い信頼性を確保するため、ロバスト性※1の高い設計を追及している。先進的な医療機器開発の現状と、3次元CADを核としたコンカレントエンジニアリング※2によるものづくりの現状を紹介する。
※1 設計誤差などの不確定な変動に対して、システム特性が現状を維持できること。
※2 業務を同時進行させることで、開発期間や納期の短縮など効率化を進める手法のこと。

講師:

株式会社ニデック 医療事業統轄本部 医療機器開発本部 執行役員本部長   林 昭宏 氏

株式会社ニデック 執行役員本部長 林 昭宏氏

【経  歴】

1976年4月 株式会社ニデックに入社
1976年〜 眼屈折力計、各種検眼機器の機械設計及び開発リーダを担当
2002年〜 屈折検査機器、前眼部診断機器、網膜診断機器の開発を指導
2010年4月〜 医療機器開発本部 執行役員本部長
15:00-15:15 休憩
15:15-16:00
基調講演

3次元CAD/CAEによる設計・製造知識の可視化および技術・技能伝承への活用

本講演では,3次元CAD/CAE技術およびマルチメディア技術を用いた設計・製造知識の可視化,バーチャルリアリティ技術や拡張現実感技術を用いた製品評価および技術・技能伝承,近赤外分光法による脳機能解析の知見に基づく製品評価など,最近のデジタルものづくり技術の動向について述べる.

講師:

埼玉大学大学院 理工学研究科 人間支援・生産科学部門   綿貫啓一 教授

埼玉大学大学院 綿貫啓一 教授

【経  歴】

1991年  東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程修了.工学博士.
1989年 日本学術振興会特別研究員,
1991年 埼玉大学工学部助手,
1992年 講師,
1994年 助教授,
2005年 教授,

現在,同大学大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門教授,同大学脳科学融合研究センター教授,同大学地域オープンイノベーションセンター産学官連携推進部門長,英国セントラル・ランカシャ大学客員教授.日本機械学会第88期機素潤滑設計部門長,日本機械学会フェロー,日本設計工学会理事・研究調査部会長.専門は,ヒューマンインターフェイス,脳科学,バーチャルリアリティ,ロボティクスなどの教育・研究に従事.

【現在の所属】
埼玉大学大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門教授
同大学脳科学融合研究センター教授
同大学地域オープンイノベーションセンター産学官連携推進部門長
英国セントラル・ランカシャ大学客員教授

16:00-16:30

3次元設計再考:デジタルものづくり新潮流が3次元化を加速する5つの理由

3次元デジタルものづくり新潮流が日本のものづくりが直面している課題を解決!〜設計要件のみならず生産・製造・環境要件を事前配慮した設計及び検証とは、進化するメカトロ制御設計の仮想プロト検証、そして業界が推進する3D単独図の応用展開などの概論を説明し、以降に続く各論のつながりをわかりやすく解説します。

講師:

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長  金谷道雄 氏

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長 金谷道雄氏

【経  歴】

1983年3月 筑波大学第三学群情報学類卒業
1983年4月 第二精工舎(現セイコーインスツル、以下SII)入社、当時総代理店契約を締結したUnigraphics事業の技術・マーケティングに従事
1997年5月 SolidWorksの総代理店であったKUSCOに入社し、SolidWorksのマーケティング全般に従事。
1998年12月 ソリッドワークス・ジャパン創立にともない、KUSCOから移籍。
引き続きSolidWorksのマーケティング全般に従事。現在に至る。

16:30-17:15

想いのままのものづくり: 感性を具現化するプロダクトデザイン技法(例:4フィーチャのみで実現する高度なデザイン)とヒット商品開発秘話紹介

不況でも売れる仕組み、発想を実現するためのメソッドを紹介。開発商品が昨年度10回TV放送、Gマーク中小企業庁長官賞受賞など人への配慮をキーワードにヒット商品を連発。その「感動ある商品づくり」を解説。

講師:

有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役  飯田吉秋 氏

有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役 飯田吉秋 氏

【経  歴】

1947年 愛知県生まれ
1983年 松下電器産業(株)退社
1985年 有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所を設立、代表取締役就任。
  現在に至る。

88年NY近代美術館永久展示、93年デザインフォーラム金賞、94年bio 14 Gold Medal 受賞、09年グッドデザイン中小企業庁受賞など多数受賞。 著書に「素材加工事典」、「思いのままのモノづくり 美しい3DCAD」などがある。

17:15-18:00

「進化するものづくり事例」
―高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス!―

ものづくりの様式が、ここ数十年の間に、大きく変貌を遂げています。その根底にあるのは、情報の技術革新による高度化。それが、現場のものづくりに、今、どんな変化を与えているのか?入曽精密の作品群を通して説明いたします。

講師:

株式会社入曽精密 代表取締役  斉藤清和 氏

株式会社入曽精密・代表取締役 斉藤清和氏

【経  歴】

1958年9月9日
1977年 県立川越高等学校 卒  建設会社を経て
1983年 入曽精密入社
2000年 副社長就任
2002年 社長就任




デジタルものづくりセミナー2010in京浜

開催報告

東京都品川区は9月3日、日刊工業新聞社と共催で「デジタルものづくりセミナー in 京浜」を開催した。会場となった品川区中小企業センターでは、慶應義塾大学の小池康博教授による基調講演をはじめ、デジタルものづくりを実践・支援する6社の最新事例が報告された。

デジタルものづくりセミナー2010in京浜 アンケート結果 ≫
ご協力ありがとうございました

 デジタルものづくりセミナー2010in京浜 開催概要
日 時 2010年9月3日(金) 13:00〜18:15(受付12:30)
場 所 品川区中小企業センター2F 大講習室
(東急大井町線下神明駅徒歩2分、JR線・東急線・りんかい線大井町駅徒歩10分)
主 催 品川区
共 催 日刊工業新聞社
後 援 関東経済産業局、大田区、大田区産業振興協会、横浜市経済観光局、川崎市
対 象 製造業の経営者・部課長級及び推進リーダ以上
定 員 100名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫(PDF 1M)
 デジタルものづくりセミナー2010in京浜 ダイジェスト

テーマ「3次元デジタルものづくりによる経営革新及び設計力・現場力の融合」

 【主催者挨拶】
 品川区地域振興事業部 部長 宮地 恵美子 氏

 品川区は京浜工業地帯の一角をなし、工業の最先端をけん引してきた。日本のものづくりをけん引する活力を見出すべく、最近、任意団体として「大崎ものづくり倶楽部」を設立。区内の中小製造事業者や研究者、近隣の事業者などでネットワークをつくり、創造力を発揮する新たなものづくりへの挑戦を開始したところだ。近隣の方々と力を合わせ、日本をけん引していくためにも、3次元ものづくりが参考になれば、と思っている。

IHIグループにおける3Dモデルを活用したものづくり改革事例の紹介

 株式会社IHI ものづくり改革推進本部 企画管理グループ 主査 渡辺 真也 氏

 IHIのものづくり改革で屋台骨となるのが、3Dモデルの活用である。
 3次元CADは、10年来一部の事業で活用してきたが、全社展開を目指したのは2004年。07−09年の3年間は、設計だけでなく、ものづくり全体にわたって活用することを目指した。
 グループ内に展開するには3つのポイントがある。
 第1はCADライセンスの集中管理。社内のプラットフォームにアクセスして利用できる環境を整えた。
 第2は社内ユーザー会活動の推進。オフラインミーティングなどでユーザー会を実施し、情報交換を促進している。
 そして第3が社内技術サポート体制の構築。情報システム部とものづくり改革推進本部が窓口になり、製品に適したCADの選定や操作上の課題等への対応を緊密に行っている。

眼科医療機器のトップメーカー・ニデックによるデジタルものづくり経営革新事例の紹介

 株式会社ニデック 医療機器開発本部 執行役員本部長 林 昭宏 氏

 ニデックでは国内だけでなく、フランスとイタリアの開発拠点で同じ3次元CADを使い、データを共有しながら活用している。
 3次元CADを活用することの有用性は、「構想設計での審査」「コンカレント設計の推進」「金型製作への設計データ活用」「各種文書へのデータ挿入」「デザイン」「共通化・標準化」である。
 この中で最も力を入れているのが設計審査での活用である。開発・製造・生産技術・サービス・調達などの担当者がCADで徹底的に検証し、コンカレントなものづくりをしている。
 コンカレント体制は、各部門の担当者名を明記したコンカレント体制表をつくり、社長が出席するデザインレビューの場で承認を得て、トップダウンで組織している。3次元CADの活用とコンカレント体制により、従来より質の高い設計ができるようになった。

基調講演
フォトニクスポリマーが拓くFace-to- Faceコミュニケーション

 慶應義塾大学理工学部教授 工学博士 小池 康博 氏

 球に光を当てると、球の大きさによって光は屈折、反射、散乱、分極、吸収、放出と異なる現象を見せる。
 この特性を基にして開発したフォトニクスポリマーを利用したものが、GI型POF(プラスチック光ファイバー)と高輝度光散乱導光ポリマー、ゼロ複屈折ポリマー、高出力ポリマー光ファイバー増幅器・レーダーである。日米欧で基本特許が成立しており、現在、内閣府最先端研究開発支援プログラムで14社と共同研究を進めている。
 GI型POFはあらゆる光が同じ時間に到達するため、1秒間に送れる信号量が従来のプラスチック光ファイバーより400倍多く、世界最速の毎秒40ギガビットを実現した。ガラス製光ファイバーよりも高速通信が可能なことが、実験から実証されている。
 従来のプラスチック光ファイバーはプリフォームを熱延伸してつくるため、コストが下がらない。この問題を解決するために、05年に低コストでできる押出成形による製法を確立した。押出成形ではフルフラット層も容易につくれ、折れることがない。結び目をつくっても光が漏れないので安定した高速通信が可能になる。毎秒40ギガビットというビットレートも、プリフォーム法では実現できない。高性能な光ファイバーを低コストの押出成形で製造できるようにしたことは、自分にとってイノベーティブ・プロセスと呼べるものである。
 高輝度光散乱導光ポリマーは、ある一定の方向に光を散乱させるための均一構造を実現したものである。粒子が入っているため白濁しているが、レーザー光を照射すると均一に光るという特性を持つ。後方向に散乱せず前方にしか光が行かない。下向き方向のプリズムをセットし全反射させると面から平行光を出すことができ、バックライトに応用すれば最も明るいものになる。
 ゼロ複屈折ポリマーは液晶テレビの色ムラをなくし画質を向上させることができる。液晶テレビは50インチ以上になると複屈折による色ムラが避けられないが、偏光板の間にゼロ複屈折ポリマーを使うと、配光複屈折と光弾性複屈折の2つの屈折率をゼロにすることができる。
 また、ゼロ複屈折ポリマーはどんなに引っ張っても複屈折が起きないので押出成形で製造可能。大量の溶剤や乾燥のためのラインも不要になり、高性能な液晶ディスプレーが低コストでつくれる。液晶ディスプレー産業に利益をもたらすプロセス革命だ。
 従来のエレクトロニクス技術の延長線上にあればあるほど、小画面とキーボードから抜け出せない。圧倒的なビットレート、圧倒的な高画質はフォトニクスによって実現する。キーボードの延長線上にある技術に合わせるのではなく、技術が人に合わせる人間調和型イノベーションが切に望まれる。

3次元設計再考:デジタルものづくり新潮流が3次元化を加速する5つの理由

 ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長 金谷 道雄 氏

デジタルものづくりの新潮流で3次元設計再考の時代が到来している、とマーケティング部の金谷道雄氏は提言する。
 第1は、「設計の醍醐味を増す操作感」。直感的な操作が自在にできるように進化している。
 第2は、「設計要件:設計力向上のための設計検証/環境設計の推進」。モデリングと線形静解析や機構解析など設計者が最低限実施すべき解析・検証が統合化環境で提供されており、、設計者は設計要件を検証しながらモデリングを進めることができる。最近では、環境配慮設計もグリーン調達からフロントローディングしてきている。
 第3は、「生産要件:手戻り、歩留まり等の予測と設計者負荷削減の施策」。通常は設計要件を検証した後は図面作成であるが、新潮流では、3D単独図とその活用としての公差解析、加工性検証などで、モデリングミスや公差定義での問題を事前に解決してから、最終的な図面展開で、現場での歩留まりや大幅な手戻りの削減ができる。
第4は、「仮想試作:エレメカ・制御連携がもたらすプロセス革新」。エレメカの仮想検証に加えて、制御を含めて仮想プロトタイプ検証ができつつある。
第5は、「デジタルコミュニケーション革命」。RPやスキャナー、ビューワーやレンダリング・アニメーションツールの進化で、より効率的なDRやPRができる。
 3次元CADは道具。利用ノウハウを早く蓄積することが、企業の競争力の源泉になっており、3次元CADを整備することで「日本の製造業が生き残るための、QCDに加えて、安全・安心、環境・調和、感性・共創を配慮した消費者視点でのグローバルものづくりを推進することがポイントです」と訴えた。

想いのままのものづくり:感性を具現化するプロダクトデザイン技法とヒット商品開発秘話紹介

 有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役 飯田 吉秋 氏

 私はものづくりにおいて、「笑顔になるデザイン」を大事にしている。笑顔になるデザインをするには、常に生活者の目線で考え、満ち足りない状態を知らなければならない。
 例えば、振っても倒してもこぼれないシリコンキャップ「KISSシリーズ」は、脳梗塞で倒れた父親に安心して水分を補給してもらうために開発したもの。ひっくり返すと形が変わるシリコン玩具「NOCILIS」は、夜でも音を気にせず積木遊びができるよう孫のために考えた。
 開発には3次元CADを活用した。KISSシリーズの開発では声帯の筋肉の動きのシミュレーションに活用している。
 デザインがそのまま商品になることがデザイナーの理想だが、3次元CADにより、それがようやく実現に向かいつつある。

「試作専門の精密加工」短納期を得意とする新妻精機グループに於ける、CAD/CAMの有効活用

 新妻精機株式会社 取締役統括部長 片桐 士朗 氏  ・ 技術課長 木 政勝 氏

 新妻精機は15年前から3次元CADやCAMを活用してきた。ただ、当初は東京、長野、山形の3工場で異なるソフト使用していた。このため工場間で連携するような場合、データ修正が必要になると専任者でなければ対応できなかった。
 そこで、ソフトを統一し、プログラム作成と加工が同じ工場である必要性をなくした。能力に余裕のある工場に加工を振り分けられるよう、生産管理システムを使って工場の余裕を把握できるようにもした。
 また、3工場はVPN(仮想プライベートネットワーク)で結ばれている。東京から各工場にアクセスしてデータを取り出し、サーバーで一元管理。CADデータのやり取りも短時間ででき、機械を早く動かせるようになったことから、納期短縮も役立っている。

「進化するものづくり事例」
―高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス!―

 株式会社入曽精密 代表取締役 齋藤 清和 氏

 入曽精密では工作機械での精密微細加工の限界に挑戦してきた。これまで、アルミのバラ、世界最小のサイコロ、新薬師寺の伐折羅(バサラ)像などを実現している。
 加工を熟知した技術者が工作機械とCAD/CAMを使い職人技を発揮したわけだが、高度化した技術を世界で売るにはデザインが重要。そのため、当社では3Dスキャナーも活用している。
 伐折羅像の製作も3Dスキャナーを活用した。形状のSTLデータをサーフェスデータに変換するソフトを自社で開発した。
 また、自社ブランドも立ち上げた。フィッシング用ルアーなどを製作・販売しているが、現在は受託加工よりも自社ブランドに関する仕事の方が多い。顧客の変化を捉え、仮想からの造形力と微細切削加工力を結集して商品開発した結果だ。




デジタルものづくりセミナー2010in八王子
ただいま制作中です。今しばらくお待ちください。
デジタルものづくりセミナー2010in名古屋
ただいま制作中です。今しばらくお待ちください。
デジタルものづくりセミナー2010in静岡
ただいま制作中です。今しばらくお待ちください。


【セミナーに関する問い合わせ先】
『日刊工業新聞社 地域デジタルものづくりセミナー事務局』
TEL:03−3732−5451 FAX:03−3732−5453  担当:三菅(みすげ)、岡田 t.misuge@media.nikkan.co.jp