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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/2/12 05:00)
【名古屋】国産小型旅客機「MRJ」を開発する三菱航空機(愛知県豊山町)は、2016年内を予定していた米国での試験飛行の開始時期を、今夏に前倒しする方針だ。米国の飛行拠点は天候状況などに恵まれ、1日に複数回の試験飛行ができる。日本国内での試験項目を減らして、米国への回送飛行(フェリーフライト)の時期を早める。経験豊富な北米の技術者の協力も得て、18年半ばとする量産初号機の納入を守る考えだ。
森本浩通社長が明らかにした。米国への回送飛行は、距離や天候などの条件から、それ自体が重要な試験となる。同社によれば回送飛行は①北海道からオホーツク海、ベーリング海、アラスカ湾などの島々を経て米ワシントン州に至るルート、②名古屋からサイパン、ハワイを経て米ワシントン州に至るルートの2案ある。飛行距離の短い①のルートを軸に検討を進める。
回送前の実施を計画していた一部試験を先送りし、回送後に実施することで、米国での飛行時期を早める方針。日本の拠点である県営名古屋空港(愛知県豊山町)は旅客便や自衛隊機も飛び、MRJの飛行は「週2回が限度」(森本社長)という。米ワシントン州の空港なら1機で1日3回の飛行が可能で、試験を効率的に進められるとみている。
MRJは計2500時間を予定する試験飛行のうち多くを、試験環境の整った米国で行う計画だ。現地企業と提携し、旅客機開発の専門家ら、計100人程度を雇用。日本人社員50人とともに、実際の試験飛行や結果の解析、機体の設計などを進める考えだ。
同社は15年末、通算4度目となるMRJの納入延期を発表した。一方で今月10日には約2カ月半ぶりに試験飛行を再開した。
(2016/2/12 05:00)
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