[ オピニオン ]

産業春秋/鍋越峠の通年通行化

(2016/12/16 05:00)

師走も残り半月足らず。北国の雪の季節も本番で、春先までの長いつきあいとなる。車を冬タイヤに履き換え、運転の仕方も頭を切り替える。山形県中部の寒河江市と、宮城県北部の大崎市を結ぶ国道347号線。山形側からは県北の尾花沢市を経て、鍋越(なべこし)峠で奥羽山脈を越える。県境の約18キロメートル区間は例年12月上旬から翌年の4月下旬まで、4―5カ月にわたって雪崩の危険などから閉鎖されていた。それが今冬からは通年通行可能となった。

2011年3月の東日本大震災時は、まだ冬の通行止め期間。救援物資などの輸送に使えなかった。防災上からも鍋越峠が重要ルートとして再確認され、両県が道幅の拡張や雪崩対策などを進めてきた。

尾花沢市から、トヨタ自動車東日本などが立地する仙台北部中核工業団地まで車で約1時間。冬場の迂回(うかい)は必要なくなり、アクセスが良くなったことで新規の受注や企業誘致の可能性が広がる。「観光の面からも格段に便利」と地元も歓迎する。地域経済の活性化に期待が集まる。

ただ当面、冬場の通行は日中の午前7時から午後7時までに限られる。実際の峠の積雪量を確認する必要もあるのだという。安全運転で、最初の冬を乗り切りたい。

(2016/12/16 05:00)

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