[ オピニオン ]
(2016/12/28 05:00)
京都に五つ残る“花街”のうち、最も歴史があるのが上京区の上七軒だ。漏れ聞こえる三味線を肴(さかな)に中華の隠れ名店で忘年会というのが、ここ数年の年末の過ごし方。時間によっては、食事をしている芸舞妓(まいこ)を見かけることもある。
今年も約束の日。喜び勇んで早く着いたので、隣にある北野天満宮を参拝することにした。相変わらず人が多いが、特に目立ったのは学生の姿だ。
言うまでもなく、北野天満宮は「学問の神様」である菅原道真公(菅公)をまつる神社の総本社。受験シーズンが近づくにつれ受験生の参拝が増え、皆が合格祈願のお守りを買って帰る。
最近では自社製品を工夫して受験生を応援する企業が注目されている。日東精工はネジをいれたお守りを先着順にプレゼントして「緩まず集中力を持続しろ。ネジを巻いてがんばれ」と応援する。近畿日本鉄道は車両のすべり止めの砂をお守り風の袋に入れた「すべらない砂」を作った。
菅公の別名は天神さま。わらべうた「通りゃんせ」でも知られる。歌詞の意味は諸説あるが、お札やお守りを持って「通りゃんせ」と連呼されれば何かいいことがありそうな気もする。しかし神頼みの前に、まずは自助努力が必要なのは言うまでもない。
(2016/12/28 05:00)