産業春秋／今年最大のニュース

いろいろなニュースがあった２０１６年も明日が大みそか。最大のニュースといえば米国大統領選でのトランプ氏勝利を置いてほかにない。トランプ氏率いる米国はどこへ向かうのか。

まずは日米関係。安倍晋三首相が選挙から１０日も経たずにトランプ氏を電撃訪問。両者とも「信頼関係を築いていける」との手応えを口にしたが、親日派でも知日派でもないトランプ氏との間に親密な関係が築けるのだろうか。

早々に電話会談したロシアのプーチン大統領とはお互いを評価し合う間柄。米ロ関係は今よりずっと接近することが予想される。トランプ氏は英国の欧州連合離脱を支持していることから、米英関係も良好とみて良さそうだ。

ウマが合わなそうなのは中国。為替操作国に認定すると発言したり、南シナ海の軍事拠点化の動きを批判したりしているため、対立関係が予想される。不法移民問題で国境に壁を作るとしたメキシコとも不仲になりそうだ。

政治家としては未知数のトランプ氏だが、ビジネスマンとしては経験豊富。主要閣僚に実業家を多く起用して、経済面で成果を上げることを狙っているようだ。ただ品格に欠ける印象は否めない。米国大統領にふさわしい振る舞いを期待したい。