[ オピニオン ]
(2017/5/16 05:00)
那覇市内の繁華街・国際通りは、1キロメートル以上にわたり沖縄料理や土産物の店が並ぶ観光スポットだ。「国際」の名は、昔あった劇場が由来とされる。だが多くの海外客が行き交う現在の光景は、もはやその由来に関係ない。
県の観光客数は4年連続で過去最高となった。例年なら最も落ち込む1月の客数が、今年は5年前の夏場の最盛期を上回った。近年は東アジアからの誘客が奏功して、初めて外国人客が200万人を超えた。
ただ客の急増にひずみも出ている。那覇市内では客室稼働率が向上した半面、人手不足で清掃やベッドメークが間に合わない。それでも次々にホテルが増える状況が悩ましい。
解の一つは従業員にも外国人を雇用すること。とはいえコンビニエンスストアで母語の違う店員と客が対応に困っていたり、飲食店で日本語の注文が通らなかったりする場面をよく見る。県は2021年度までに外国人客数を倍増させる目標を掲げるが、質が伴わなければリピーターは望めない。
15日に本土復帰45年を迎えた沖縄では、古くからの基幹産業である観光に加えて、新たにIT産業が芽を吹いた。両方を組み合わせ、外国人客に先進のおもてなしを提供する「国際」化ができないか。
(2017/5/16 05:00)