[ オピニオン ]
(2017/5/29 05:00)
メーカーによる研究成果の発表も、最近は人工知能やクラウド利用ばかり目立つ。そんな中にあって、リアルなモノを楽しめたのが三菱電機の報道向け成果披露会。初めて社外の展示場を使い、20件の技術シーズを見せた。
足を止める人が多かったのが『アニメーションライティング誘導システム』。「こちらが会場」などの絵文字を床や壁に動画で投影する。昇降機最大手らしく「間もなく到着」のイメージをエレベーターの扉に映す工夫も。
導入コストが安くて印象的。イベント会場なら効果絶大だろう。ただ技術そのものは単純なので、すぐに新興国の企業にまねされてしまう懸念もありそうだ。
新ビジネスを予感させたのは『ポータブル3Dマッピングシステム』。複数の赤外線照射・受光器を組み合わせ、背負って歩くだけで周辺の3次元データを作成する。いわば室内版グーグル・マップで、回転させて眺めることも可能。今はドット絵だけだが、事故現場の状況記録や、音楽ホールやホテルの客室のバーチャル経験にも使えるだろう。
これらはまだ研究成果の段階で、利用方法は模索中とか。海外勢に「技術で勝って事業で負ける」ことのないよう、稼ぐ方もしっかり成果の披露を願いたい。
(2017/5/29 05:00)