[ 地域経済 ]
(2017/7/19 05:00)
組織の課題解決にユニーク手法
【千葉】千葉市産業振興財団は、レゴブロックを使って組織の課題を解決する「レゴ・シリアスプレイ」(LSP)を活用した社員研修の導入を千葉市の企業に呼びかけている。言葉で表現しにくいことをまずブロックで形することで、言葉にしやすくするとともに、その認識を共有化し、チームをつくりあげる。導入した企業からの評判も上々で、担当する北野孝志コーディネーターは「年間に10社程度の研修に対応したい」としている。(千葉編集委員・中沖泰雄)
LSPとは、手を動かしながら頭を働かせることで、新しい知識を構築できるという教育理論に基づく。チームビルディング以外にも、サービス・商品のコンセプト設計やビジョンの創出などさまざまな課題解決に対応する。業種は問わない。
半日から1日間の研修が中心で、課題の内容によって2―3日間かかる。2月に「ブロックで創り出す理想の組織」としてLSPの体験型ワークショップを開いたところ、11団体が参加し、好評だったため、本格的に導入の提案を始めた。
すでに9月までに5社の導入が決まった。5月はファソテック(千葉市美浜区)が新入社員研修で実施。北野コーディネーターによると「(ファソテックの)LSPを活用した社員研修は千葉市で初めてになる」という。
ファソテックの企画管理部副部長兼人事チームリーダーの鈴木和雄氏は「従来の講話中心の研修ではなく、受講者一人ひとりが手を動かし、頭を使う体験型の研修を導入することで、新入社員に対して、積極的な受講を期待した」と導入理由を説明する。また柔軟な発想と表現力が育まれることも望む。
新入社員からは「話を聞くだけの一方通行の研修ではなかったので、楽しみながら受講することができた。手を動かしながら頭で考えるので、意外に大変で1日があっという間に終わった」という反応があった。
LSPの進行役であるファシリテーターとして活躍する北野コーディネーターは、企業研修やセミナーを研究し「中小企業向けに独創的な研修がなかった」ことから「中小企業診断士として中小企業の経営を応援する」ため、16年5月にファシリテーターの資格を取得した。
海外では先進的な研究機関や企業で導入が進む。ブロックを活用したユニーク研修は、従来型研修にプラスすることで、さらなる効果が期待できそうだ。
(2017/7/19 05:00)
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