[ 科学技術・大学 ]

北大、ストレス起因の胃腸・心疾患の発症機構を解明 免疫細胞で炎症

(2017/8/16 05:00)

  • ストレス状況下では、脳に形成した血管ゲートにT細胞などの免疫細胞が集まる(北大の資料を基に作成)

  • ストレスによる臓器機能障害の例(北大提供)

北海道大学遺伝子病制御研究所の村上正晃教授らは、慢性的なストレスが胃腸や心臓の疾患を起こす仕組みを解明した。マウスにストレスを与えると免疫細胞が脳の血管から侵入して炎症が発生。消化管や心臓の機能不全を引き起こして突然死を誘導していた。ストレス性疾患へのかかりやすさを予測できる可能性がある。成果は15日、英科学誌イー・ライフに掲載された。

研究チームは、睡眠不足のストレスを与えたマウスに、自己免疫疾患モデルのマウスから採取した病原性の免疫細胞「CD4+T細胞」を投与。その結果、70―80%のマウスが1週間で突然死した。ストレスのみ、または同細胞のみでは突然死は起こらなかった。

突然死したマウスでは、胃や腸など消化管から出血していた。さらに、心疾患と関係が深い血中カリウムイオンも上昇していた。

脳では、視床などに囲まれた特定の血管から同細胞が侵入し、小さな炎症を引き起こしていた。この炎症が引き金で神経回路が活性化し、消化管や心臓の機能不全の原因になっていることが分かった。

村上教授は「T細胞の量を調べることで突然死のリスクの解明や、治療法確立につながるかもしれない」と述べている。

(2017/8/16 05:00)

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