【電子版】米中の通商協議が決裂 トランプ政権、ハイテク業界補助停止を要求

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  トランプ米大統領（9日、AFP＝時事）

　米国と中国の貿易を巡る協議が先週、決裂していた。事情に詳しい関係者が明らかにした。トランプ米政権が中国にハイテク業界向け支援を縮小する措置を講じるよう要求したためで、問題解決には時間がかかりそうな様相だ。

　部外秘の情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、経済・金融を担当する劉鶴副首相が5日、米国は「中国製造2025（メイド・イン・チャイナ2025）」の取り組みに関連した業界への補助金提供をやめるよう求めたが、中国政府は要求を拒否したと当局者らに伝えた。

　米国は中国がこの政策でロボティクスや航空宇宙、人工知能（AI）などの分野で企業に技術移転を強制していると批判したという。

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  中国・劉鶴副首相（3月20日、ブルームバーグ）

　中国側は液化天然ガス（LNG）や農産品、半導体、高級品の輸入拡大などで貿易赤字を500億ドル（約5兆3500億円）減らすことを提案したところ、米国側がこうした要求をしてきたと関係者は述べた。提案には金融業界の開放加速や、活況を呈する中国電子商取引市場に米企業のアクセスをより広く認めることも盛り込まれていたという。

　関係者によると、習近平国家主席はトランプ米大統領が貿易戦争を望むなら厳しく反撃する用意があると劉副首相は話した。同副首相はまた、米国との協議再開に中国は前向きだが、現在の条件で自ら始めることはないと語ったとされる。（ブルームバーグ）