【電子版】カナダ当局、ファーウェイ副会長の保釈決定 8.5億円納付、GPS監視・外出制限も

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  ファーウェイの孟晩舟・副会長兼CFO（14年10月、モスクワ＝EPA時事）

【ニューヨーク＝時事】カナダ当局が米国の要請を受け、対イラン制裁違反の疑いのある中国通信機器大手・華為技術（ファーウェイ）副会長兼最高財務責任者（CFO）の孟晩舟容疑者（46）を逮捕した事件で、カナダ西部バンクーバーの裁判所は11日、米国への身柄引き渡しの可否をめぐる判断が出るまで孟容疑者の保釈を認める決定を出した。ロイター通信などが伝えた。保釈金は1000万カナダドル（約8億4700万円）。

　保釈を判断する審理は7日から3日間にわたり行われた。容疑者は制裁下のイランとの取引に絡み、複数の銀行に虚偽の説明をしたとされ、米国で詐欺容疑の逮捕状が出ている。

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  孟容疑者の夫、劉暁棕氏（写真中央）（12月10日、カナダ・バンクーバー＝ブルームバーグ）

　孟容疑者は今後、夫である劉暁棕氏名義のバンクーバーの自宅に滞在し、夜11時～朝6時の外出やバンクーバーのあるブリテッシュコロンビア州を離れることが禁止される。旅券の提出や全地球測位システム（GPS）装置による監視も義務付けられた。

　公共放送CBCなどによると、米国への身柄引き渡しは、カナダの裁判所が可否を判断する見通しで、この審理は長期化する可能性もある。引き渡し手続きをめぐる審理日程を決めるため、孟容疑者は来年2月6日に改めて出廷する。ファーウェイは「タイムリーな解決を期待している」とする声明を発表した。

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  「国際危機グループ（ICG）」北東アジア担当で元カナダ外交官のマイケル・コブリグ氏（ICGが公表、AFP時事）

中国でカナダ人拘束確認

　一方、カナダのトルドー首相は保釈決定に先立ち、中国でのカナダ人拘束を確認し、「極めて深刻に受け止めている」と述べた。現時点で事件と拘束との明白な関連性は指摘されていないが、ファーウェイ事件を受け、両国関係が悪化する可能性もある。拘束されたのは有力シンクタンク「国際危機グループ（ICG）」（本部ブリュッセル）の北東アジア担当の元カナダ外交官と報じられている。

　カナダ検察は保釈の審理で、国外逃亡の恐れがあるとして、孟容疑者の保釈を認めないよう要求。孟容疑者側は健康上の不安があるなどとして、保釈を求めていた。