11月25日は「金型の日」 日本のモノづくりを支える技術

(2019/11/28 05:00)

業界展望台

11月25日は「金型の日」。日本金型工業会は内外に対する金型工業の認識を深めるとともに、今後の業界の発展を期するため、工業会の創立記念日を「金型の日」と定め、講演会や優良従業員表彰などからなる記念式典を実施している。第46回金型の日記念式典は今日14時から東京・竹芝のインターコンチネンタル東京ベイで開催される。

「高精度・高品質」を明確化 業界担う人材づくり

金型はプラスチック成形やプレス加工には不可欠なマザーツールだ。優れた金型技術が高品質・高精度で安定した製品づくり、生産性の高いモノづくりを支えている。

  • 金型生産金額の構成(2018年)

日本の金型生産額は、従業員30人以上の事業所を対象とした経済産業省生産動態統計の機械統計では2017年が4205億円、18年が4006億円だった。また、全事業所を対象とした経産省工業統計では17年の生産額は1兆5257億円。18年は推定で1兆4540億円。

機械統計に基づく18年の4006億円の内訳はプレス用金型1562億円(39.0%)、プラスチック用金型1304億円(32.6%)、ダイカスト用金型538億円(13.4%)、鍛造用金型339億円(8.5%)などとなっている。

良質な工業製品生産の基盤を担う金型産業は大勢の優れた技術者・技能者の手によって支えられている。日本金型工業会は17年、創立60周年記念事業として「金型マスター認定制度」を創設した。金型製作に優れた技能・技術とともに、正しい知見と製造現場を統率できるリーダーシップを持つ人材を「金型マスター」として認定し、金型メーカーの真価を“見せる化”することを目的としている。

同制度が目指すものは大きく2点。金型マスターの認定を通して、高品質な金型を作るメーカーであることを誰からも分かりやすくする。それにより他国との技術力の差別化を図ろうというものだ。

もう一つは技能・技術だけでなく、リーダーシップを備えた人材の育成。金型業界の次世代リーダーが備えるべき技能、マネジメント能力の水準を明確化し、金型業界での人づくりの指針とする。

シニア金型マスター誕生

金型マスターの認定を受けるには、金型製造経験が10年以上あり、自社内から認定候補者として推薦を受けた後、金型企業概論、金型企業戦略、生産財マーケティング、組織マネジメント、技術経営などを集中的に学ぶ「金型アカデミー」を受講しなければならない。

同工業会では、金型マスターであるということが取引先に信頼を与えるだけでなく、現場で働く若手の目標となるように制度を育てていく考えだ。今年は第二期金型マスター認定とともに、第一期認定者の中からシニア金型マスターの認定が行われた。シニアマスターは金型技術者として優れているだけでなく、「金型産業の発展」という、より広い視野・意識を持って活動する人物だ。

金型マスター、シニア金型マスターには次の世代を担うリーダーとして個々の金型メーカー、さらには業界を牽引(けんいん)していくことが期待される。

金型取引の適正化 ルール正式決定へ

金型を巡る産業界の大きな課題が金型取引の適正化だ。目下、経済産業省・中小企業庁が主導する協議会でルール作りが進められている。日本金型工業会も小出会長が参加し、金型メーカーの立場から意見・提案を行っている。金型メーカーが強く希望しているのは代金の支払いに関する商慣行の改善だ。

金型の取引は多くの場合、納品(検収)日を起点として、支払いが行われる。支払いは例えば当月末払いや翌月払いの場合もあれば期長の手形であることもある。一方、金型製作は受注から納期までが長く、材料費などの出金が先になる。金型材料は価格の高い特殊鋼であることが多い。

金型メーカーは財務体力が強くない中小企業が少なくない。高額な出費が先行する現在の商慣行は金型メーカーにとっては厳しいものだ。そこで同工業会として、代金の前金制度などを提案し、慣行の改善を図ろうと活動している。

同工業会によれば、海外では前金の支払いが行われており、同じ日本企業が国内に発注すると後払いでも、外国企業に発注した場合は先払いしていることから、国内企業に対しても前払いへの変更は可能なはずだと強調する。

また、金型は一品ごとのオーダーメード品であり、その意味では注文住宅や造船と同じ性格。それらが工程の進捗に合わせて、分割で前金払いがなされていることから、同様の扱いとすることに理解を求めたいとしている。

金型に関しては成形品メーカーである金型ユーザーと金型所有者である発注者との間の保管や管理コスト負担といった課題も重要だ。こうした金型取引の適正化に向けたルールは今月末に正式決定される。

(2019/11/28 05:00)

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