産業春秋／ワクチン接種と企業

新型コロナウイルスのワクチン接種が、６５歳未満の年齢層で本格化している。同僚や友人との会話でも、「私は明日１回目」「もう２回終わったよ」などの会話が交わされるようになった。

都市圏では予約が取りづらい状況が続いているのも確かだが、９月中には十分な量が届くとされている。政府や自治体は、接種を希望する人に一日でも早くワクチンが届くよう、全力を挙げてもらいたい。

プロ野球チームを経営する福岡ソフトバンクホークスは、ワクチン接種２回完了または、観戦日１週間前までのＰＣＲ検査陰性の人限定で、特別観戦チケットを販売すると発表した。今は主催試合は原則無観客開催だが、上限５０００人で入場させるという。また、一部の飲食店や家電量販店などは、接客担当者がワクチン接種済みを表示する取り組みを始めた。

いずれも、「接種していない人や接種が受けられない人への差別になる」「接種後でも感染するブレークスルー感染への対応は」などさまざまな意見が出るだろう。

企業側の社会に一石を投じる覚悟を感じる。受け止める我々も大いに議論し意見を形成していきたい。それが、ウィズコロナ時代を生きる上での指針になる。