産業春秋／コロナ禍の甲子園大会が閉幕

　第１０４回全国高等学校野球選手権大会が２２日に閉幕した。新型コロナウイルスの新規感染者が拡大している中、陽性反応の選手の入れ替えなどが一部であったものの、成功裏に閉幕することができたことに胸をなで下ろす

　今大会では感染拡大予防ガイドラインの一部が改正され、チームが集団感染しても大会に出場できる道を残していた。それまで個別感染の場合に限定されていたメンバー変更が、集団感染の場合にも認められるようになった。集団感染イコール参加不可の事態を回避したものだ

　県立岐阜商業などのメンバー入れ替えは気の毒だったが、全力プレーには目を見張った。また集団感染が発生した別の４校の初戦の日程を遅らせ、試合前７２時間以内の陰性確認までの時間を稼ぐ配慮もあった　

　今大会では３年ぶりに一般向け入場券が販売された。コロナ禍対策として全席指定で、マスク着用や入場時検温なども求められたが、マスク越しの熱いまなざしが選手の好プレーを後押ししたのではないか

　全国的に感染者が増加傾向にある。感染者の全数把握の見直しなどで医療逼迫（ひっぱく）を解消し、コロナ禍と経済活動や高校生活が両立する環境を早期に整えたい。