(2023/4/13 05:00)
岸田文雄首相は5月19日開幕の先進7カ国(G7)広島サミットに先立ち、大型連休(GW)にアフリカを訪問する。エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビーク4カ国歴訪で調整に入った。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、南半球を中心とした新興・途上国「グローバルサウス」との関係を強化する。広島サミットにはアフリカ連合議長国も招く。グローバルサウスを取り込み、国際社会の結束を世界に発信したい。
グローバルサウスは政治的に中立な国が多く、西側諸国にも中ロにも加担しない。3月の中ロ首脳会談では、「多極化」する世界秩序の再構築で合意し、中ロはインドを盟主とするグローバルサウスとの新秩序の形成を目指している。G7議長国の議長・岸田首相はアフリカ歴訪で「法の支配に基づく国際秩序の堅持」を訴え、中ロをけん制しつつグローバルサウスを取り込むことが求められる。
岸田首相は3月、20カ国・地域(G20)議長国インドのモディ首相と会談し、国際秩序堅持の重要性を確認。日本は30年までに官民で750億ドル(約10兆円)をグローバルサウスに投入し、インフラ整備を支援するほか、気候変動やサイバーセキュリティー、安全保障の分野で各国への協力を強化する。中国の“債務のワナ”とは次元の異なる支援により、グローバルサウスとの信頼関係を醸成したい。
ただグローバルサウスの取り込みは容易ではない。食糧支援や軍事支援などでロシアに一定程度を依存するアフリカは、国連総会のロシア非難決議などに同調しない国が少なくない。途上国はインフレや気候変動問題、さらに世界の分断を招いたのは先進国で、影響を被ったのは途上国と受け止めている。
インドはグローバルサウスの盟主を自負しており、グローバルサウスと西側諸国の橋渡し役となることが期待される。中国はロシアへの経済制裁の抜け道となっているばかりか、中ロの軍事的な連携強化も懸念されている。インドは中ロも加盟するG20の議長国として、日本とともに重責を果たしてほしい。
(2023/4/13 05:00)
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