人と生きる ロボット新時代(9)パナソニックホールディングスロボティクス推進室長・安藤健氏

(2023/11/20 05:00)

自動化と社会進出支援を両立

―ロボット事業の現状分析は。

「製造現場の人手不足で産業用の溶接や実装などの自動化ニーズが根強い。自動車でも電気自動車(EV)へのシフトでバッテリーケースなどの新たな溶接需要があり、電子部品の増加で実装も伸ばせる。また、従来は家庭用だった掃除ロボットで業務用としてのニーズも出てきている。備品が多く大型ロボットが使いにくいオフィス清掃で早朝・深夜の人手不足の解消に適合した」

―開発の方向性は。

「大型化・高精度の要望に対応する。ロボット本体に加えて人工知能(AI)を含めたソフトウエアが重要だ。(子会社の)米ブルーヨンダーのシステムなどを積極活用する」

「ユーザーにはオペレーションを含めた工場全体の最適化の提案がポイントとなる。ハードウエアの強さを引き立たせるシステム連携で顧客の悩みを解決する。環境方針『パナソニックグリーンインパクト』で取り組む二酸化炭素(CO2)削減にもスマートファクトリー化への活用などで貢献できる」

―メーカー間の競争が過熱しています。

「当社グループはロボット本体から要素技術まで手がけているのが特徴だ。ロボット単体では競争が激しいが、モジュールなどの上流や最適化などの下流へ1歩動くとユーザーや供給元、連携先になり得る。必ずしもぶつかり合う必要はない。他社で良い仕組みがあれば採用し、時間やコストを含めた最適な選択をしていく」

―国際ロボット展での訴求ポイントは。

「新たな顧客の開拓に向けて、主力の溶接や実装関連ではなく、他分野のロボットを出展する。掃除や配送、コミュニケーション、歩行リハビリなどのロボットと、ピッキングや自律移動などを支える要素技術を展示する。ロボット展には家族連れも来場するため、未来のエンジニアにロボットの魅力を伝える副次的な効果も期待する」

―持続可能な社会のロボットの役割とは。

「労働力不足の解消が大きい。自動化で人手不足を補う面が注目されやすいが、従来社会進出ができなかった人が働く道も開ける。例えば、7月から分身ロボットを活用した外出困難者の勤務の実証実験を行っている。障がい者や家族を介護中の人などに、時間と場所に左右されない働き方をロボットで提供する。真の社会課題解決のため、自動化と社会進出支援の両輪体制を構築する」(編集委員・安藤光恵)

(2023/11/20 05:00)

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