(2023/12/27 17:00)
千代田化工建設は27日、太田光治取締役(58)が2024年4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。榊田雅和会長兼社長(65)は代表権のある会長に専念する。経営の監督と執行を分離した新たな経営体制で、経営再建を加速する。太田氏は三菱商事出身で、プラントエンジニアリング本部長を務めた。千代田化工は主力の石油・ガスプラントで大型案件を遂行する一方、水素など新規事業を開拓しており、太田氏がかじ取りを担う。
太田氏は三菱商事で韓国、中国、南米で製鉄などのプラントを担当した。22年から千代田化工の取締役と三菱商事の常務執行役員を務めており、24年3月末に三菱商事を退任する。榊田会長兼社長も三菱商事出身で、22年社長に就任。プラント部門の経験を生かして再建を進めた。
千代田化工は米国の液化天然ガス(LNG)プラント建設のトラブルで19年3月期に2149億円の当期損失を計上し、三菱商事主導で再生計画を始動。受注案件のリスク管理を徹底するなどして案件の利益率を向上させた。23年3月期は当期利益151億円(前期は126億円の赤字)を達成した。
石油・ガスプラントなど既存事業はカタールのLNGプラントなど大型案件を抱えており、安定した遂行が求められる。一方で、注力する水素サプライチェーン(供給網)構築など脱炭素の新規事業を創出し、石油・ガスへの依存度を減らす。太田氏はこの両面戦略に挑む。
【略歴】太田光治氏(おおた・こうじ)89年(平元)東大院工学研究科修士修了、同年三菱商事入社。22年常務執行役員、千代田化工建設取締役。東京都出身。
(2023/12/27 17:00)
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